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マイコン大手ルネサスの埋め込みフラッシュメモリ技術福田昭のストレージ通信(96) STが語る車載用埋め込み不揮発性メモリ(9)(2/2 ページ)

今回は、ルネサス エレクトロニクスのマイコン用埋め込みフラッシュメモリ技術「SG(Split Gate)-MONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon)」を解説する。

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コード格納用フラッシュとデータ格納用フラッシュを開発

 28nm世代の製造プロセスによってルネサスが開発したSG-MONOS技術の埋め込みフラッシュメモリには、コード格納用メモリとデータ格納用メモリがある。コード格納用メモリは記憶容量が大きいことと、読み書きのスループットが高いことを特長とする。最大容量は32Mバイト(256Mビット)である。読み出しの最大動作周波数は200MHzと高い。書き込みのスループットは2.0Mバイト/秒である。書き換え可能回数は1万サイクルであり、コード格納用としては十分な値だ。

 データ格納用メモリは書き換え可能回数が多いことを特長とする。最大容量は512Kバイト(4Mビット)である。読み出しの最大動作周波数は10MHz、書き込みのスループットは4バイト当たりで150マイクロ秒と動作はあまり速くない。書き換え可能回数は100万サイクルと極めて多い。

 28nm世代のSG-MONOS技術をルネサスが国際学会で発表したのは2014年〜2015年のことである。そしてつい最近、この技術を採用した車載用フラッシュマイコン製品のサンプル出荷を開始した(参考記事「ルネサス、28nmフラッシュ内蔵マイコンを出荷)。


28nm世代の製造プロセスによって開発したSG-MONOS技術の埋め込みフラッシュメモリ。出典:STMicroelectronics(クリックで拡大)

データ格納用埋め込みフラッシュメモリの書き換えサイクル特性。170℃と高い温度環境にもかかわらず、100万サイクルの書き換えを実現できている。出典:STMicroelectronics(クリックで拡大)

次回に続く

⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧

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