SiC/GaNデバイスを測定、シミュモデルの開発が容易に:大電流・高電圧のIV測定に対応
キーサイト・テクノロジーは、「TECHNO-FRONTIER 2018(テクノフロンティア)」で、最新パワー半導体のモデルパラメーター抽出に必要な測定を効率的に行うことができるシステムを紹介した。
キーサイト・テクノロジーは、「TECHNO-FRONTIER 2018(テクノフロンティア)」(2018年4月18〜20日、千葉・幕張メッセ)で、GaN(窒化ガリウム)やSiC(炭化ケイ素)を用いた最新パワー半導体の正確なモデルパラメーター測定と抽出を行うためのシステムを紹介した。
同社は、世界有数の電子計測機器メーカーとして、「最高性能」にこだわった測定機器に加えて、さまざまな用途のシステム設計や開発、製造に必要となるテストソリューションを提供している。その1つに最新のパワーデバイスを用いたスイッチング回路設計向けのシミュレーション環境がある。
システムやモジュール開発において、期待する仕様のシステムやモジュールを効率よく開発、製造しようとすれば、シミュレーション技術を活用した設計環境は欠かせない。特に、ICの特性を正確にモデル化することは、設計検証を行う上で最も重要なプロセスとなる。
ところが、SiCやGaNなどを用いた最新のワイドバンドギャップパワー半導体デバイスは、特性を測定するための汎用的な測定器がこれまでなかったという。このため、デバイスメーカーなどが独自に開発した手法でデバイスの特性を測定。そのデータに基づいてデバイスモデルを作成することが多く、その精度が十分でないこともあったという。
シミュレーションモデルモデルの開発を容易に
キーサイトが提供する「PD1000A」は、コントロールソフトウェアを用いて複数の測定機器を制御し、ワイドバンドギャップパワー半導体デバイスのモデルパラメーター抽出に必要な測定を行うシステムである。
測定に用いる機器はいくつかある。カーブトレーサー/パワーデバイスアナライザー「B1506A」では、IV測定とオフ時のCV測定を行う。この装置で測定できない大電流/高電圧のIV測定に向けては、「ダブルパルステストシステム」を新たに用意する計画だ。具体的には、「1kV/100A対応品」を2018年夏に、「1kV/1kA対応品」を2018年冬に、それぞれ出荷する予定だという。また、ネットワークアナライザー「E5080A ENAシリーズ」と測定治具を用いて、Sパラメーターやオン時のCVを測定する。
これらとは別のパワーデバイスモデルジェネレーター「IC-CAP 2018」を用いると、精度の高いモデルパラメーターを抽出することが可能だ。IC-CAP 2018としては、「アドオンツール」と「スタンドアロンツール」の2種類を用意している。
以上が、パワーデバイスモデリングのフェーズで用いるツールとなる。これ以外にも同社は、電源基板設計フェーズ向けの3次元プレーナー電磁界シミュレーターやネットワークアナライザー、回路設計/検証フェーズ向けの回路シミュレーターやオシロスコープなどを提供している。この他、パワーデバイスを用いたスイッチング回路の設計や解析の作業を支援するサービスも用意している。
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