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ソフトの知識がなくても、モーターを回せる開発キットクリック操作だけ

ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は2018年4月18日、モーター駆動システムを短時間かつ、容易に開発できるキットの発売を開始し、展示会「テクノフロンティア 2018」でデモを公開した。

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 ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は2018年4月18日、モーター制御用アプリケーションソフトのコード自動生成が行えるグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)ツールなどを含み、短時間かつ、容易にモーター駆動システムを開発できるキットの発売を開始した。同日から開幕した展示会「テクノフロンティア 2018」(4月18〜20日、千葉・幕張メッセ)でも、動作デモを実施している。


「テクノフロンティア 2018」で公開したモーター駆動モジュールソリューションキットのデモの様子 (クリックで拡大)

 ON Semiconductorが発売した開発キットは、同社製モータードライバICを搭載したモータードライバモジュールと、マイコンボード「Arduino Micro」、モータードライバモジュールとArduino Microを接続するベースボード、モーター、ケーブル、USBメモリが同梱される。


キットのハードウェア部分。モーターの他、「Arduino Micro」、ベースボード、モータードライバモジュールが同梱され、すぐにモーターを回せる。今後、ラインアップが拡充されるモータードライバモジュールは同一形状で、差し替えて使用できる (クリックで拡大)

 さらに、USBメモリには、GUIベースでモーター制御アプリケーションソフトを開発できるPC用ソフトウェアが入っている。同開発用ソフトウェアは「マイコンを初めて扱うエンジニアでも、マイコンに組み込むモーター制御用ソフトウェアを開発できる」をコンセプトに作られ、マウスのクリック操作だけで、モーターをモーター制御用ソフトを生成できる。

 ステッピングモーター用制御ソフト開発を例にすると、GUIツール上で、励磁方式や回転方向、ステップ角、回転速度、制御信号送信期間を選択し、スタートボタンを押下すると、PCに接続したベースボード側のモーターが設定通りに回る。同時に、実行した設定は、実行ログとして記録され、複数の実行ログを保存、編集できる。さらにコード生成ボタンを押すと、実行ログを、Arduino Microのマイコン上でそのまま利用できる制御プログラム(ソースコード)として出力。このソースコードをコンパイルすることで、GUIで操作した手順通りにArduino Micro単独でモーター制御できるようになる。

 API関数ライブラリも公開されており、GUIツールで生成したソースコードをベースに、API関数ライブラリと照らし合わせながら、より本格的なソフトウェア開発も比較的、容易に行えるようになっている。「日本語のアプリケーションノートなどもあり、コンセプト通り、マイコンを初めて扱う人でもモーター制御ソフトを開発できる環境が整った」(同社)とする。


ドライバーIC「LV8548MC」を搭載したモータードライバモジュール。ICとコンデンサー1個だけが実装されたシンプルなモジュールだ

 ON Semiconductorは、キットに対応する第1弾モータードライバモジュールとして、ステッピングモーターやブラシ付きDCモーターに対応するドライバーIC「LV8548MC」搭載品を製品化した。LV8548MCは、外付けコンデンサー1個でモーター駆動回路を構築できる“シンプルさ”が特長で、2012年の発売後4年間で累計4700万個の出荷を記録、昨年2017年の1年間だけでも1500万個を出荷している“ヒット商品”だという。「今回の開発キットの提供により、LV8548MCのシンプルさが、一層増すことになる。さらに、採用の幅を広げたい」(同社)としている。


キットを使って開発したロボットハンドシステム。センサーが取り付けられた手袋(写真右)で指の動きを検出し、ロボットハンド(写真左)のステッピングモーターをArduino Microおよび、LV8548MCで制御、駆動し、ロボットハンドの指を動かした。

 なお、ON Semiconductorでは今後、マイクロステップ対応のステッピングモータードライバICや、ブラシレスDCモーター用ドライバICを搭載したモータードライバモジュールを製品化する方針。2018年内には5種類のモータードライバモジュールがそろう見込みだ。

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