女性の活用と、国家の緩やかな死:世界を「数字」で回してみよう(48) 働き方改革(7)(5/10 ページ)
今回は、「働き方改革」の中でも最難関の1つと思われる「女性活用」についてです。なぜ、このテーマが難しいのか――。それは、「女性活用」は、運用を間違えれば、国家の維持(つまりは人口)にも関わる事態となってくるからです。
「キャリア」とは結局何なのか
さて、ここからは「キャリア」の話題に移りたいと思います。
まず、私、そもそも「キャリア」という言葉の意味がよく分かっていなかったので、この機会に調べてみることにしました。
キャリアというと「出世」のイメージが強いようですが、基本的には「経験」のことです。もう少し丁寧に言うと、働くことの「プロセス」と、その働き方に関する「ポリシー」といえるものようです。
とすれば、「キャリアを積む」とは、「時間方向の経験の積分」という理解で良いはずなのですが、いろいろな資料や書籍を読み込んでみたところ、どうもそういう話でもないようです。
最終的に、嫁さんが定義してくれた以下の内容が、一番しっくりきたので、今回は以下の定義で通します。
つまり、キャリアとは外部から客観的に識別されるものではなく、自分の中で「何か価値がある」「自分の強みである」と、自分自身で自分勝手に定義されるものであり、それを持つことで、「自分に『自信』やら『安心』やらを与える何か」と把握すると、分かりやすいです。
特に、この「女性のキャリア」については、この考え方を用いると非常にクリアに見えてくるのです。例えば、女性における「キャリアを失う」とは、こういう解釈ができます。
女性の労働における「キャリアを失う」というのは、「出世できなくなる」とか「経験値が下がる」という意味よりは、むしろ「仕事が途切れる」という意味で使われていることが多いようです。
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