ニュース
NEC、シリコンバレーにAIデータ分析の新会社を設立:コア技術をカーブアウトする決断(2/2 ページ)
NECは2018年4月26日、AIを活用した新たなデータ分析事業の展開について記者会見を都内で開催し、データ分析ソフトウェアを開発および販売する新会社を米国に設立すると発表した。
世界で戦うためにシリコンバレーに拠点を構える
NECでdotDataのカウンタパートを担当する同社ビジネスイノベーションユニットエグゼクティブディレクターの森英人氏は、「エンタープライズAIの領域ではGoogleやIBMなど北米企業の取り組みが目立っているが、日本勢としてNECのプレゼンスを高める」ことを目指すと語る。
NECにとっても、AIや機械学習に関する技術や人材をシリコンバレーのスタートアップとして独立させる決断は簡単ではなかった。この点について、藤巻氏は「日本の大企業が、今後成長する分野の事業をカーブアウトする決断をしたことはR&Dの面から見てすごいこと」と評価した。
dotDataは今後、シリコンバレーの高度人材を雇用すること、同社製品や技術をシリコンバレーで磨くこと、外部から資金を調達することなどを通して、迅速な事業拡大を目指すという。また、NECとの関係については資本関係の他に、同社製ソフトウェアの国内独占販売権を付与する。
特に、高度人材の獲得についてはシリコンバレー内でも競争が激しくなっているが、「NECが(dotDataの)バックボーンとなることで、立ち上げ初期の段階から(シリコンバレーの水準に見合う)高度人材の給与水準で人材を確保できる」(森氏)という。
dotDataは、同社製ツールの提供時期を2018年7月ごろと予定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- NVIDIAが解説するディープラーニングの基礎(前編)
エヌビディアは2018年4月24日、ディープラーニングに関するセミナー「NVIDIA Deep Learning Seminar 2018」を東京都内で開催した。本稿では、セッション「これから始める人のためのディープラーニング基礎講座」から、ディープラーニングの歴史や概要、学習の流れについて紹介する。 - データ専門家でなくともAIを、DataRobotが新サービス
機械学習自動化プラットフォームを提供する「DataRobot」は、同社のツールおよび機械学習による分析を行うための教育プログラム、企業のAI(人工知能)導入を支援するコンサルティングをパッケージングした「AI-Driven Enterprise Package」の提供を2018年4月より開始する。 - おうちにやってくる人工知能 〜 国家や大企業によるAI技術独占時代の終焉
今回のテーマは「おうちでAI」です。といっても、これは「AIを自宅に実装すること」ではなく、「週末自宅データ分析およびシミュレーション」に特化したお話になります。さらに、そうなると避けては通れない「ビッグデータ」についても考えてみたいと思います。そして、本文をお読みいただく前に皆さんにも少し考えていただきたいのです。「ビッグデータって、いったいどこにあるのだと思いますか?」 - 深層学習は専門家が足りない、米新興企業が指摘
自動運転車向け深層学習ソフトウェアの開発を手掛ける米DeepScaleは、「深層学習の分野は専門家が足りていない」と指摘する。 - ルネサス MCU/MPUのAI処理性能を今後3年で1000倍に
ルネサス エレクトロニクスはMPU/MCU製品のAI(人工知能)処理性能を今後3年ほどで1000倍に高めるとの方針を明らかにした。 - AIは“人の脳への回帰”でさらに進化する?
AI(人工知能)をさらに発展させるヒントは、人間の脳にあるかもしれない。「ISSCC 2018」で、フランスCEA-Letiに聞いた。