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コラム

車載半導体設計者がADASから学ぶべき教訓自動運転車時代に向けて(2/2 ページ)

自動運転システムは、さまざまな課題を設計エンジニアらに突きつけています。そうした中で、半導体開発者がADAS(先進運転支援システム)の進化から学べることは数多くあります。過去数年の間に自動車分野の開発者らがADAS設計の効率化を図っていく中で学んできた3つの主な教訓を紹介します。

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3. 統合上の課題

 自動運転向けSoCの複雑さといったら恐ろしいほどです。スーパーコンピュータ並みの馬力、機能安全要求、準リアルタイム組み込み性能の全てをどうやって1つのカスタムシリコン上で実現するのかと考えればなおさらそう思えてきます。

 ここに、進化してきたADAS設計が教えているいくつかの貴重な教訓があります。メインCPUまたはCPUクラスタが最重要ハードウェアブロックを構成する従来の設計とは異なり、ADAS設計はアルゴリズム固有のハードウェアアクセラレーターが極めて重要であることを示しています。


ADASでの経験は、複数のヘテロジニアスハードウェアアクセラレーターを効率的に管理する上でオンチップインターコネクトが欠かせないことを実証している (クリックで拡大) 出典:Arteris IP

 多くの自動運転向け設計では、ハードウェアアクセラレーターは高分解能レーダーイメージング用のマシンビジョンといった特定のアルゴリズム的タスクを実行するプロセッシングノードとして位置づけられています。

 ハードウェアアクセラレーターまたはヘテロジニアスプロセッシングエレメントが特定の自動運転アルゴリズムに合わせて調整されるこのSoCインフラでは、オンチップインターコネクトが全てのハードウェアアクセラレーターをコヒーレントにつなぐことによって複雑さが増すのを防いでいます。

筆者紹介

Kurt Shuler/Arteris IP マーケティング部門バイスプレジデント

 Arteris IP マーケティング部門バイスプレジデント。インテルおよびテキサスインスツルメンツのモバイル、コンシューマ、エンタープライズ各部門で、IP、半導体、ソフトウェアのマーケティングを推進してきた長年の経験を持っています。ISO 26262/TC22/SC3/WG16作業グループの米技術諮問グループ(TAG)のメンバーとして、半導体および半導体IPの安全規格策定に携わっています。


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