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もはや一国でモノづくりは不可能、ZTE措置が突きつける現実製品分解で探るアジアの新トレンド(28)(3/4 ページ)

米国がZTEに対し、向こう7年間にわたり米国企業の製品を使えないという厳しい措置を決断した。その影響は既に出始めている。

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米国半導体で構成されるZTE端末

 図3は、基板の表裏と、代表的なチップの様子である。左側のプロセッサ面には、米Qualcommの「Snapdragon」チップセット(プロセッサ、トランシーバー、電源制御IC、オーディオIC)、ストレージメモリ、DRAMが搭載されている。右側には上記以外のセンサーやNFC通信チップが搭載されている。NFC通信チップは、Broadcom製である。


図3:基板(写真左はプロセッサ側)と、搭載されている主要チップ 出典:テカナリエレポート(クリックで拡大)

 ZTEは中国メーカーだが、同社のスマートフォンの内部は、多くが米国製半導体で構成されていることがよく分かる。しかも、Qualcomm、Broadcom、Skyworksなど米国を代表する大手メーカーのオンパレードだ。

 日本メーカーチップも比率こそ小さいが、多々使われている(ここでは詳細は割愛する)ので、少なからず日本メーカーにもZTEの制裁の直接的な影響はあるだろう。しかし、それ以上に大きいのが間接的影響なのである。

Nubia Z17miniもBlade V8もまったく製造できない!?

 図4は、Nubia Z17 miniと、同じく同社の代表的なスマートフォン「Blade V8」に採用されているチップの国籍だ。


図4:ZTEが現在発売中の2機種のチップ国籍 出典:テカナリエレポート(クリックで拡大)

 Nubia Z17 miniもBlade V8も、50%強が米国製半導体なのだ……! ZTEが、米商務省の決定通り米国の部品を使えないとすれば、Nubia Z17miniもBlade V8も、まったく製造できないことになってしまう。

 現在のスマートフォンは、米国製半導体抜きで製造することは、ほぼできない。MediaTekのスマートフォンプラットフォームを使えば確かに、プロセッサなどチップセットは置き換えができる。しかし、パワーアンプは、MediaTekすら米国製と組み合わせている。Samsung Electronicsや中国HiSiliconも同様だ。

 多くのメディアが、2018年5月にQualcommが人員削減に着手したと報じた(関連記事:「Qualcommが人員削減を開始」)。ZTEの件の早々たる影響だという。QualcommがZTEを失った場合の影響は大きい。しかし、パワーアンプメーカーも深刻な影響を受けることになるのだ。

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