ASML、EUVシステムを2019年に30台出荷する見通し:2018年には20台
ASMLが2018年7月18日(オランダ時間)に発表したところによると、同社は2018年に20台のEUV(極端紫外線)露光システムを、2019年には少なくとも30台を出荷する予定だという。
ASMLが2018年7月18日(オランダ時間)に発表したところによると、同社は2018年に20台のEUV(極端紫外線)露光システムを、2019年には少なくとも30台を出荷する予定だという。
ASMLによれば、同社の2018年第2四半期の売上高は32億米ドルになると見込んでいる。特にEUV露光システムの売り上げは予想以上に好調だとする。同社のCEO(最高経営責任者)であるPeter Wennink氏は、「DUV(深紫外線)システムおよびアプリケーション事業の強みと、EUVシステムの収益性の伸びが反映されて、粗利は当社の予想を若干上回っていた」と説明した。
ASMLは、ロジック関連の顧客が2018年後半から次世代デバイスの立ち上げを準備していることから、2018年第2四半期に4台のEUVシステムを出荷したという。
半導体製造技術においてDUV技術の後継となるEUVシステムは、長年の遅れをへて、ようやく生産開始にたどり着いた。Samsung Electronics、Intel、TSMCが2019年初めに、チップの量産にEUVシステムを使用する予定だが、光源や、ペリクル(保護膜)を含むEUV関連のサプライチェーンにおいて懸念はまだ残っている。
Wennink氏は、メモリ市場がDUVリソグラフィ事業の成長を後押ししていると語る。メモリ市場では、少なくとも2018年と2019年に、相当数のリソグラフィシステムが必要とされているからだ。同氏は、「2018年前半は好調だった。後半も同等レベル、または前半以上の成長が期待できるとみている」と述べた。
ASMLは2018年第3四半期の業績について、売上高が27億〜28億ユーロ(約3529億〜3660億円)になると予測している。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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