自動車開発をより早く、効率的に――マウザーの提案:設計現場のリードタイム短縮が重要(2/2 ページ)
Mouser Electronics(マウザー エレクトロニクス/以下、Mouser)は、「第1回名古屋オートモーティブワールド」(2018年9月5〜7日、ポートメッセなごや)に出展し、同社が取り扱う車載関連製品の展示を行った。
EMI耐量を高めたオペアンプ、ノイズ源を接近させても影響なし
ロームは、EMI耐量を高めたオペアンプ「BA8290xYxx-C」シリーズを出展。AEC-Q100に準拠し、汎用品と全く同じ性能を発揮しつつもEMI対策のフィルターやシールドなしで動作が可能なことが特長となる。展示されたデモでは、従来のオペアンプと同製品でそれぞれモーター駆動を行い、それぞれのオペアンプに対しノイズ源を模擬したトランシーバーを近づけた。従来品ではトランシーバーのアンテナをオペアンプに近づけたところモーターが停止したが、同製品ではモーター駆動に影響は発生しなかった。
ケメットは、AEC-Q200に対応した世界初のポリマータンタルコンデンサー「T598」シリーズと、同じくAEC-Q200に対応したノイズ抑制シート「Flex Suppressor」を展示。2.5〜50VのラインアップをそろえるT598シリーズは小型かつ大容量を実現。通常のタンタルコンデンサーと異なり、二酸化マンガンを用いていないため燃えにくく、安全性も向上した。Flex Suppressorは基板上のICや信号ライン、ディスプレイのフレキシブルケーブルなどに張り付けることができる。貼り方やシートのサイズにもよるが、「おおよそ4〜5dB程度、ノイズを抑制できる」(同社担当者)ほどの性能を持つ。
モレックスは、各種の車載用コネクターを展示。車載カメラなどの用途に用いるコネクターでは、ねじ止めされた基板のたわみを吸収するフローティング機構を搭載し、適切な嵌合(かんごう)状態をサポートする。また、FPC(Flexible Printed Circuit)対基板コネクターシステムの提案では、段上となる場所にLEDを実装する場合にFPC実装によるLEDテープを活用することで設計自由度とコネクターなどの部品点数が削減できることをアピールした。
ビシェイは、車載向けの各種インダクターを展示。薄型で大電流に対応するメタルコンポジットタイプのインダクター「IHLP」シリーズは、1212サイズ(3×3mm)から8787サイズ(22×22mm)までの9サイズをラインアップし、フェライトインダクターと比較してフラットな飽和特性を備えていることが特長とする。150℃、または180℃の高耐熱品が用意されたサイズもあり、「今後高耐熱品のラインアップも拡大する予定」とする。シールドを組み込んだ「IHLE」シリーズも展示されており、オープンタイプのインダクターと比較して20dBの電界低減効果を有している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- マクニカとマウザー業務提携、共同通販サイト開設
マクニカとMouser Electronics(マウザー エレクトロニクス)は2017年5月25日、業務提携を結んだと発表した。両社は提携に基づき、量産サポートまでを提供する半導体、電子部品販売Webサイトを共同で運営していく。 - マウザーが世界で拡販、日本製部品の調達強化
Mouser Electronics(マウザー エレクトロニクス)は、日本市場での事業拡大に向けて、2016年第3四半期(7〜9月)より、日本の拠点を本社直属の事業部門とする。日本市場での顧客獲得に加え、日本製電子部品の調達機能を強化していく。 - 試作に特化する通販代理店マウザーが日本にサポート拠点を開設
米国テキサス州に本社を置く通販専門電子デバイス販売代理店Mouser Electronics(マウザー エレクトロニクス)が2015年6月、日本オフィスを開設した。 - 2018年3月期【半導体商社】業績まとめ
EE Times Japanではこのほど、半導体、電子部品などを取り扱う国内半導体/エレクトロニクス商社の2018年3月期業績をまとめた。2018年3月期業績を発表した上場するエレクトロニクス商社23社のうち19社が前年比増収を達成。営業利益では、23社中21社が前年比増益となり、2018年3月期は多くのエレクトロニクス商社にとって、回復、成長の1年となった。 - 合併の決断と、国内最大級半導体商社として向かう先
2017年4月1日、国内最大級の売り上げ規模を誇るエレクトロニクス商社「ネクスティ エレクトロニクス」が発足した。自動車向け半導体、電子部品販売に強い豊通エレクトロニクスと、民生機器向けなど幅広い用途向けに半導体デバイス販売を手掛けるトーメンエレクトロニクスが合併して誕生した。なぜ、両社は合併し、この先どこに向かうのか。ネクスティ エレクトロニクス社長の青木厚氏にインタビューした。 - マクニカ、工場や事務所などでのAI×IoT導入を支援
マクニカは、「第7回 IoT/M2M展【春】」で、AI(人工知能)技術を活用した製造ラインにおける予知保全・異常検知システムなどのデモ展示を行った。