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Armが「Cortex-A76AE」を発表、Split-Lockを搭載さらなる安全性の向上に向け(1/2 ページ)

Armは2018年9月26日(英国時間)に、自社のエコシステムパートナーに向けた新しいプログラム「Arm Safety Ready」と、Split-Lock機能を搭載したSoC(System on Chip)開発者向けのアップグレード版プロセッサコア「Cortex-A76AE」を発表した。いずれも、ADAS(先進運転支援システム)および自動運転車の時代に求められる高い安全基準に対応することが可能だ。

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自動運転車市場を加速する

 Armは2018年9月26日に、自社のエコシステムパートナーに向けた新しいプログラム「Arm Safety Ready」と、Split-Lock機能を搭載したSoC(System on Chip)開発者向けのアップグレード版プロセッサコア「Cortex-A76AE」を発表した。いずれも、ADAS(先進運転支援システム)および自動運転車の時代に求められる高い安全基準に対応することが可能だ。

 Armの組み込み/自動車部門担当バイスプレジデントを務めるLakshmi Mandyam氏は、EE Timesの電話インタビューの中で、「自動車業界が現在直面している最大の課題は何か」とする質問に対し、「シンプルかつ簡単な方法で安全性を実現することと、拡張可能なプラットフォーム要件だ」と答えている。

 同氏は、「ADASは、自動運転車の基礎を構築する。Armは、システム開発メーカーと半導体メーカーの両方が、高性能自動運転車の安全性の進展を実現するための道をもっと容易に切り開けるよう、安全性に対する非難の先頭に立っていきたい」と述べている。

 Armは今回、安全性プログラムとプロセッサを提供することにより、自動運転車のマスマーケティングを加速していきたいと考えている。その一方で、大手車載用チップメーカー各社は、ArmにSoCの安全性の実現への道を示してもらえるのを待っていたわけではない。例えば、NVIDIAやNXP Semiconductors、ルネサス エレクトロニクスの3社はArmコアを、Intel/MobileyeはMIPSをそれぞれ使用し、既に自社チップの安全機能の開発および実装を実現している。

 米国の市場調査会社であるTirias Researchの創設者Jim McGregor氏は、「自動運転車の安全性の実現に向けた取り組みは、シリコンやソフトウェア、システム、プラットフォーム全体など、さまざまなレベルで行われている」と述べる。

 同氏は、「安全性レベルは、アプリケーションによって異なるが、一般的には、特定のレベルの信頼性だけでなく、コマンドや制御システム向けのフェイルオーバー保護を確実に実行する必要がある。その結果、安全な環境や、チップ上またはチップ間の冗長処理、フェイルセーフ命令などを通して、SoC開発へとつながっていく。そして全てが、プラットフォームの他の部分と併せて設計される」と説明する。

 もしそうならば、自動車内部で安全性を実現するには、どのような方法が一般的なのだろうか。

 McGregor氏は、「例えば、2つのコアまたは2つの独立したMCUまたはMPUを、一方に障害が発生した場合のためにロックステップで実行したり、情報に依存性があるかどうかを判断する場合がある。既存の自動車では、これは特定の制御機能に限られているが、自動運転車の場合は、ほぼ全てのシステムにおいて、このような冗長性が必要になるだろう」と述べる。

 米国の市場調査会社であるThe Linley Groupでシニアアナリストを務めるMike Demler氏は、「既存の車載用SoCは、機能安全要求水準(ASIL:Automotive Safety Integrity Level)のどのレベルに準拠しているのか」とする質問に対し、「例えばNVIDIAは、同社のSoC『Xavier(エグゼビア)』をASIL Dに準拠させる上で、専用のロックステップ機構をはじめ、さまざまな機能を実装している。ASIL CとASIL Dには冗長性が必要なためだ」と述べる。


ASIL D準拠をターゲットとした自動運転向けプラットフォームの概要 出典:Arm(クリックで拡大)
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