Voice + IoT = DECT:再び脚光を浴びる?(2/2 ページ)
IoTデバイスが音声コマンドコントロールと低消費電力の両技術を求めるようになり、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunication)技術が再び脚光を浴び、大きく飛躍する可能性を秘めている。
DECTを基にしたというULEの現状は?
ULEアライアンスはDialog SemiconductorやDSPグループといった半導体メーカー、Gigasetやパナソニックといった端末メーカー、さらにはDeutsche Telekom(ドイツテレコム)などのサポートも得て2015年に製品を市場投入している。それ以降5千万台を超えるDECTの親機に採用され、多数の低消費電力をうたうIoTデバイスや音声コントロールを実現する基盤となっている。
2018年1月、ULEアライアンスは展示会「CES 2018」に参加しEETimesに対して構成(図1)や当時サポーターから提供可能なIoT端末についての説明を行った。
図1:CES 2018でULEアライアンスより提示のあった概念図
どのように全てのノードがコンセントレーター(ULEゲートウェイ)を介して接続されるか、ホームオートメーションネットワーク、鍵となる差別化要素は 低遅延、低消費電力、双方向音声コントロール
DECTとULEどちらにも対応する需要は欧州で特に高い。2018年2月初旬に開催されたVoice of IoT DECT and IoT SummitにはOrange、Deutsche Telekom、Sennheiser electronic、Robert Bosch、DSPグループ、Dialog Semiconductorなどが参加し、スマートホームにULEをどのように使うかに焦点を当てた熱い議論が行われた。
米国ではOomaなどのオペレーターがULEを採用しており、アライアンスによると5000万台に達するゲートウェイが今までに導入されているそうだ。DECTからULEへは物理層を変更していないため、既に稼働中のDECT親機をULE対応にするためにはソフトウェアの更新のみで可能であり、これはDECT/ULEにとっての大きな強みである。
IoTに使える“無線の海”の中で際立つということ
DECTとULEが低消費電力IoT、音声コマンドコントロールを実現できている現状と比較すると、他の無線インタフェースを家庭内に持ち込むのはまだ不便だと言える。いまだに音声を低遅延かつ低消費電力で扱うためには他に方法がないのが現状だからである。
家庭用ヘルスケアにとってこれは重要なポイントだ。握ることで作動させ、固定電話との音声通話を可能にするようなペンダントを使い、あらかじめ決められたメッセージをコンセントレーターに送るよりもより長い時間使うことのできるような仕組みを実現することもできる。ホームセキュリティ用途には、パケット欠損なく、レスポンスタイムが短く、エコーもない、それにより正確な音声分析を行うことが可能となる。
なぜAmazon Echo Dot 2がそれ単体で重要な音声通信やIoTのリンクに対応しないのか、という素朴な疑問をきっかけに始めた調査だが、既に確立された技術でも上手に順応させることによって、結果として新たな寿命を得ることになるのかもしれない、という結論を導くことになった。
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