窓が基地局に、「ガラスアンテナ」を貼るだけ:ドコモとAGCが共同開発
NTTドコモとAGCは2018年11月7日、窓ガラスの室内側に貼り付けられる、電波の送受信が可能なガラスアンテナを共同開発したと発表した。両社は「世界初」とする。2019年上期より、LTEの周波数帯の基地局に同ガラスアンテナを展開していく予定だ。
NTTドコモとAGCは2018年11月7日、窓ガラスの室内側に貼り付けられる、電波の送受信が可能なガラスアンテナを共同開発したと発表した。両社は「世界初」とする。2019年上期より、LTEの周波数帯の基地局に同ガラスアンテナを展開していく予定だ。
ガラスアンテナのサイズは700×210mmで重さは1.9kg。対応周波数は3.5GHz帯で、帯域幅は40MHz。4×4 MIMOに対応している。下り変調方式は256QAMで、スループットは最大588Mビット/秒。
開発したガラスアンテナは、透明性の高い導電材料とガラスを組み合わせたもので、既存の窓に貼り付けても、景観や室内デザインを損なわない作りになっている。さらに、独自に開発した「Glass Interface Layer(グラスインタフェースレイヤー)」の効果により、窓ガラスを通過したときの電波の減衰および反射を抑えられるという。Glass Interface Layerは、ガラスに近づいたときにガラスアンテナの性質が変わる影響を抑える技術である。
安定した高速通信を実現するためには、スモールセルをいくつも設置して、トラフィックを分散させることが重要になる。現在、スモールセルのアンテナは建物の屋上や中低層階の壁面に設置されているが、このような場所では設置できるエリアが限られたり、景観を損ねたりすることから、設置が難しいケースがある。そこで、建物の中にアンテナを設置する方法を考えたという。
ただ、建物の中にアンテナを設置する場合も、インテリアを損ねたり、電波が窓ガラスを通過した時に減衰するといった課題があった。これを解決するために、AGCが保有する、既存窓の表面にガラスを貼り付ける「アトッチ工法」を活用し、今回のガラスアンテナの開発を進めてきた。
両社は、5G(第5世代移動通信)に対応したガラスアンテナの開発も検討しているとする。
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