世界半導体市場規模、2019年は2.6%成長へ:WSTS 2018年秋季予測発表
WSTS(World Semiconductor Trade Statistics:世界半導体市場統計)は2018年11月27日、2018年秋季半導体市場予測を発表した。同予測によると、2018年の世界半導体市場規模は前年から15.9%成長し4779億3600万米ドルになり、2019年には4901億4200万米ドル(2018年比2.6%増)に成長するという。
2018年は前年比15.9%成長か
WSTS(World Semiconductor Trade Statistics:世界半導体市場統計)は2018年11月27日、2018年秋季半導体市場予測を発表した。同予測によると、2018年の世界半導体市場規模は前年から15.9%成長し4779億3600万米ドルになり、2019年には4901億4200万米ドル(2018年比2.6%増)に成長するという。
WSTSは、世界の半導体メーカー45社が加盟する統計機関。毎年、5月と11月の2回、予測会議を開催し、半導体市場規模予測を発表している。今回の2018年秋季半導体市場予測は、2018年11月13〜15日に米国で開催した予測会議によるもので、2018年9月までの実績値を基に作成された。
2018年の半導体市場規模は、2017年に引き続きメモリ市場での高成長が年前半にみられ、年後半に入り、メモリ市場の成長に減速が見込まれたものの、通年では前年比15.9%増の成長率を維持するという。2桁の市場成長率を達成すれば、2017年に続き2年連続になり、半導体市場規模の過去最高更新については2016年、2017年に続き3年連続となる見込みだ。
2019年の半導体市場規模予測については「米中貿易摩擦を筆頭に世界経済に不透明感が多いことから慎重な見方になった」(WSTS)とし、2018年比2.6%増の4901億4200万米ドルとした。
2019年はメモリのみマイナス成長?
製品別市場規模では、メモリが2018年は前年比33.2%増の1651億1000万米ドル、2019年は2018年比0.3%減の1645億4300万米ドルを予想。アナログ、マイクロ、ロジックといったメモリ以外のIC製品については、2018年は6.4〜10.8%の前年比成長、2019年についても3.0〜3.8%の前年比成長を予測。2017年、2018年と記録的な成長を果たしたメモリ市場のみ、2019年はマイナス成長になるとの見方を示した。
地域*)別の半導体市場規模については、米州、欧州、日本、アジアの4地域全てで、2018年、2019年ともにプラス成長を予想。日本の半導体市場規模は、2018年は米ドルベースで400億9900万米ドル(前年比9.6%増)、円ベース(1米ドル=110.1円換算)で4兆4151億円(同7.6%増)。2019年は米ドルベースで411億800万米ドル(同2.5%増)、円ベース(1米ドル=111.5円換算)で4兆5818億円(同3.8%増)と予想している。
*)地域の定義:半導体メーカーの国籍や生産工場の場所には関係なく、「半導体製品が半導体メーカーから第三者に販売された地域」を指す。「第三者」には、半導体ユーザーである電子機器メーカー、EMS、半導体を扱う商社などが含まれる。
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