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「次なるTesla」を目指す、中国EV各社が優勢:注目すべき新興企業(3/3 ページ)
Teslaは、型破りなリーダーElon Musk(イーロン・マスク)氏の指揮の下、世界の電気自動車(EV)産業を一変させた。Teslaに関しては厳しい状況が続いている中、「次なるTesla」になることを目指し、EVのスタートアップ各社が競争を繰り広げている。
注目すべき“対Teslaメーカー“
NIOの対抗となりそうなEV新興企業の一つが中国のBYTON(バイトン)だ。同社は2018年8月に、「M-Byte」というプロトタイプEVの走行試験を行っていると発表。M-Byteは2019年秋に中国で、2020年には欧米諸国で販売される予定である。価格は4万5000米ドルから。M-Byteのハイエンドモデルは、容量95kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は約520kmである。
中国とサウジアラビアの投資家が支援している米Lucid Motors(ルシード・モータース)も、注目されるEVスタートアップだ。同社はこれまでに11億米ドルの資金を集めている。最初のモデルは「Lucid Air」で、2020年にデビューする予定だ。
元BMWの社員が設立した米EVelozcityも外せないだろう。同社はこれまでに10億米ドルの調達に成功している。同社は2021年に5万米ドルのEVを発売することを目指している。中国のスタートアップとしては、広州に本拠地を持つXiaopeng Motorsも注目を集めている。こちらはAlibaba GroupとFoxconn Technology Groupが支援している企業で、13億米ドルの資金を調達した。Xiaopeng Motorsは2018年初頭から、同社のファミリー向けEV「G3」の受注を開始した。
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