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5Gにおける「NB-IoT/LTE-M」の位置付けセルラーLPWA(2/3 ページ)

「5G NR Phase 1(3GPP Release 15)」の標準仕様が完成し、5G(第5世代移動通信)はまた一つ、大きなマイルストーンに到達した。その中で、注目を集めているのが5GにおけるLPWA(Low Power Wide Area)、具体的には「NB-IoT」「LTE-M」の位置付けだ。

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5G時代のIoTにおける新機能

 5G NR Phase 1(Release 15)の中心となるユースケースは、モバイル帯域幅の拡張に関するものだった。ただし、これは、NRとLTE-M/NB-IoT間の衝突を回避するための特定機能(アップリンクおよびダウンリンクの両方に関するサブキャリアグリッドアラインメントなど)を追加することで、リソース構成と柔軟なスケジューリングユニットを保存するものである。

 一方、5G NR Phase 2(Release 16)では、工業、製造業、自動車、人工衛星など各種の垂直市場向けを対象とした接続ソリューションを提供する予定となっている。こうしたソリューションのほとんどでは、スループット、高信頼性、低遅延、高可用性、密接続性のような厳しい要件を満たす必要がある。5G NR Phase 2は、mMTCおよびURLLC(高信頼低遅延通信)に特化したものだ。

FAのための「NR-IIoT」

 3GPP TS 22.261およびTS 22.804に目を向けると、各種要件やKPI(重要業績評価指標)をサポートしている多くのユースケースが存在していることは明白である。

 一例として、商品の製造、出荷、提供方法をその全ライフサイクルを通じて変革する「Factory of the Future(未来の工場)」というユースケースが挙げられる。

 このFactory of the Futureを実現するには、必要とされるレベルの柔軟性、モビリティ、多用途性、人間工学を無線接続を通じて提供することが不可欠であり、これはRelease 16におけるNR-IIoT(New Radio Industrial IoT)の設計における重要なユースケースの一つとなっている。

 NR-IIoTとは、特にFA(ファクトリーオートメーション)、電力分配、輸送などの分野における新しいIIoTユースケースを実現するために、3GPPで研究が進められている新しい機能だ。


LPWAとNR-IIoTを含めた5G仕様の進化 出典:u-blox(クリックで拡大)

 この新しいシステムは、ショートTTI(伝送時間間隔)構造を利用して低遅延を提供するほか、Release 15 URLLCで定義されている信頼性を高める方法を実現している。周波数範囲としては、FR1(1450MHz〜6GHz)およびFR2(24.25GHz〜52.6GHz)が検討されている。

 また、通信事業者業界は自動車産業向けのプラットフォームを拡張することに意欲的であり、バンド47(5.9GHz)およびそれを超えた帯域でのV2X(Vehicle to Everything:車車間、車とインフラ間、車とネットワーク間、車と歩行者間など自動車とあらゆるものとの接続)に対応した接続ソリューションを提供している。

V2Xでの期待値も高い

 基本的なV2Xサービス(安全性が重要でないもの)のサポートに関する初期の標準は、Releases 14および15で完了した。5G時代においては、自動車の隊列走行、センサーの拡張、高度な遠隔運転などを含む先進的なユースケースに力を入れることが期待されている。これらのユースケースではいずれも、信頼性、遅延、可用性における厳しい成果が必要になる。3GPPでは現在、NR-V2Xの研究においてこれらを達成することを目指している。


3GPPの技術ロードマップ 出典:u-blox(クリックで拡大)

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