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5Gにおける「NB-IoT/LTE-M」の位置付けセルラーLPWA(3/3 ページ)

「5G NR Phase 1(3GPP Release 15)」の標準仕様が完成し、5G(第5世代移動通信)はまた一つ、大きなマイルストーンに到達した。その中で、注目を集めているのが5GにおけるLPWA(Low Power Wide Area)、具体的には「NB-IoT」「LTE-M」の位置付けだ。

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Release 14〜16で追加された、5G関連の新機能

 Release 16の新機能は、NB-IoTおよびLTE-MはRelease 13で導入されたものであり、不可欠かつ基本的な超低複雑度のLPWAデバイス向けの狭帯域無線インタフェースを提供する。これらの機能により、非常に条件の過酷なカバレッジにおいても大量のデバイスをネットワークに接続できるようになるほか、バッテリーの寿命を長く保つことが可能となる。Releases 14および15では、機能強化と新機能がいくつか追加されている。

 Release 14は、電力消費量の削減(Release Assistance Indicatorの導入など)とユースケースの拡張に関するものだった。後者に関しては、測位、マルチキャスト、コネクテッドモードモビリティ、データ転送の高速化のほか、UE(User Equipment)Power Class 6(14dBm)のサポートにより、ピーク電流容量が限られている小型フォームファクターのバッテリーの利用を可能にするといった機能が追加された。

 Release 15におけるNB-IoTとLTE-Mの共通機能としては、遅延と電力消費量のさらなる引き下げ(NWUSおよびMWUS形式での、NB-IoTおよびLTE-Mのそれぞれに対するウェイクアップ信号)やシステム取得時間のさらなる短縮が挙げられる。また、NB-IoTには、時分割複信(TDD)と小型セルのサポートが追加されている。

 現在進行中のRelease 16におけるNB-IoTおよびLTE-Mに関する作業は、ネットワーク運営と効率の改善(UEグループ用のウェイクアップ信号など)や、5Gコアネットへのよりスムーズな移行の準備に関するものだ。

 今後数年間でIoT関連のテクノロジーが拡張されると、より多くのデバイスが「モノ」のリストに加わるようになるため、垂直市場において新しいIoTエコシステムが形成されるだろう。NB-IoTおよびLTE-Mの技術は、5G時代において今後も重要な役割を果たすと考えられる。

 これに加えて、Factory of the Futureにおける要件や自律的なコネクテッドカーにおける要求を満たすために必要となるレベルの柔軟性、モビリティ、多用途性、人間工学を無線接続を通じて提供することが不可欠となるだろう。これらは全て、5GのIoT時代における5G技術が持つ可能性を完全に引き出すための重要な一歩を提供することになる。

筆者

Sylvia Lu

 ユーブロックスの5G Tech Leadであり、アルゴリズム設計、DSP開発、世界標準、技術戦略などに携わってきた。セルラー業界での10年にわたる経験を生かして、CW BoardのメンバーとUK5G諮問委員会のメンバーを務めている。3GPPにおけるユーブロックスの代表であり、IoT、V2X、5Gなどに関する同団体の標準化活動を先頭に立って推進している。


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