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スタンレー電気、自社開発のLEDで強み生かすオートモーティブ ワールド2019

スタンレー電気は、「オートモーティブ ワールド2019」で、自動車での移動を「安全」「安心」「確実」「快適」に行うための光デバイスや光学技術を提案した。

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新型HMIやスマートルームミラーなども強み生かす

 スタンレー電気は、「オートモーティブ ワールド2019」(2019年1月16〜18日、東京ビッグサイト)で、自動車での移動を「安全」「安心」「確実」「快適」に行うための光デバイスや光学技術を提案した。

 車載エクステリアLEDコーナーでは、LEDヘッドランプユニットなどを展示した。同社は光源から開発しており、点光源発光や低熱抵抗特性を示す自社製LEDを搭載できるのが強みである。これによって、光学設計や放熱対策などを容易にした。

 これからの車両には、自動運転に必要となるセンサーが、新たに搭載されることになる。このため各種センサーに適したランプも必要になるとみられている。さらに、これらセンサーを実装する場所を確保しなければならない。この実装スペースとして注目を集めるのがヘッドランプユニット部である。


LEDヘッドランプユニットの例

 「LEDのサイズを小型化することで、これまでのヘッドランプユニット内にライダー(LiDAR)やミリ波レーダーといったセンサーモジュールの実装スペースを確保して、顧客に提供したい」(説明員)と話す。

 車載エアコンの温度制御などをジェスチャーで操作できる「ストレスフリーHMI(Human Machine Interface)」技術も参考展示した。エアコンやオーディオシステムなどを操作するためのスイッチが空間に映し出される。操作空間に置かれた手に赤外線LEDを照射し、3Dカメラで手の形状を認識し、機器を制御する仕組みだ。

 運転者は走行中でも大きく姿勢を変えずに操作できるという。超音波による空気振動で、操作した触感を伝えることも可能だ。空間スイッチのため「汚れ」などの心配もなく、機械的な故障も防止できるという。現時点での虚像視認視野角は上下左右±20度で、視野角の拡大に向けた開発を続けていく。

9.74型のスマートルームミラー


開発中のスマートルームミラー

 開発品の展示で注目を集めていたのが9.74型の「スマートルームミラー」。制御基板とTFT LCDおよび、ミラーLCDを組み合わせた構造である。現行のスマートルームミラーはハーフミラー方式が主流である。これに対して同社はミラーと透過を自動で切り替える方式とした。

 この結果、TFT LCD画像の透過率は約80%で、高い視認性を実現した。一方、鏡時は反射率が約46%で見やすさを改善した。防眩時の反射率は最小7.9%となった。動作温度範囲は−30〜85℃である。「2〜3年後に市場投入されるモデルに搭載される見通し」(説明員)だという。

 この他、波長365nmなどの近赤外LEDと光触媒を用い、車室内の「ニオイ」を消臭する技術も紹介した。アセトアルデヒドやアンモニア、ホルムアルデヒドといった成分を分解する効果がある。

 この技術を用いた製品をカーエアコンや家庭用エアコン、空気清浄機、トイレなどに設置しておけば、体臭やたばこ臭、トイレ臭など不快なニオイを取り除くことができる。「車を共有して使うカーシェアリングサービスなどに有用な技術である」(説明員)と話す。

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