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TSMCの19年Q1売上高は減少の見通し、iPhone不調でファウンドリーは厳しい1年に

TSMCは2019年1月、同社の2019年第1四半期の売上高は前四半期から急激に減少する見通しであると発表した。2019年は、半導体ファウンドリー市場にとって厳しい年になると予想される。

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「iPhone」の不調が原因

 TSMCは2019年1月、同社の2019年第1四半期の売上高は前四半期から急激に減少する見通しであると発表した。2019年は、半導体ファウンドリー市場にとって厳しい年になると予想される。

 TSMCは、「2019年第1四半期の売上高は前期から14%近く減少し、73億〜74億米ドルになる見通しだ」と述べている。同社の対四半期売上高では、2009年以来最大の落ち込みとなる模様だ。

 落ち込みの主な要因は、Appleの新型「iPhone」の売上高が予想を下回ったことにある。だが、ベテランの半導体アナリストで米国の市場調査会社であるIC Insightsでプレジデントを務めるBill McClean氏は、「TSMCの売上高の低迷は、ファウンドリー業界が直面するより大きな課題を暗示している」と述べる。

 同氏は、EE Timesと交わしたメールで、「2019年のファウンドリー市場は困難な状況にある」と語った。IC Insightsは2019年1月初旬に、「2018年の専業ファウンドリー業界は、ほぼ全ての成長要因が中国企業によるものだった」と述べている。同社によると、TSMCも2018年は、中国市場での売上高が61%増加したという。

 McClean氏は、「Appleは、2018年のTSMCの売上高のうち約22%を占めているが、2019年の売上高予測を下方修正した」と指摘している。Appleは2019年1月初旬に、2002年以来初めて売上高予測を引き下げた。

 同氏によると、ファウンドリー事業が中国市場で成長した主な要因は、仮想通貨ビジネスだという。ただし、仮想通貨価格の下落によって同市場はかなり軟化している。

 McClean氏は、「専業ファウンドリー市場は、技術的な課題にも直面している」と指摘する。同氏は、「TSMCは、最先端技術を提供する唯一の専業ファウンドリーである。現在、他の専業ファウンドリーは全て、組み込みメモリやイメージセンサー、SOI(Silicon On Insulator)などに特化した専門ファウンドリーとして運営している」と説明している。

 その結果、専門ファウンドリーの生産能力が過剰になった。McClean氏は、「28nmノードは過去数年間、過剰供給が続いている」と述べる。

 IC Insightsは、2019年のファウンドリ市場の成長率を約2%と予測している。同社は、半導体業界全体も同じく2%の成長と予測している。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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