「後工程+SMTをワンストップで」、ヤマハ発動機:新川、アピックヤマダを統合(2/2 ページ)
ヤマハ発動機と新川、アピックヤマダは2019年2月12日、都内で記者会見を開催し、同日に発表した半導体製造装置および電子部品実装装置事業の統合について説明した。
後工程+表面実装
3社の事業統合を後押しした要因の一つは、半導体製造装置市場の成長だ。IoT(モノのインターネット)やAI、自動車などが追い風となり、半導体製造装置市場は、中長期的な目で見ると堅調な伸びが予測されている。
さらに、SiP(System in Package)や高密度モジュールなどの市場が拡大し、FOWLP(Fan Out Wafer Level Package)などの実装技術が発展する中、一部の前工程を含め、後工程と実装工程が重複する部分が増えてきていることも、3社が事業統合を決断した大きな理由だ。
アピックヤマダの社長を務める押森広仁氏は、これを「中間工程的なモノづくり」と説明する。同氏によれば、実際、後工程の装置を手掛けるメーカーと実装装置メーカーのM&Aが、約10年前から見られるようになっているという。例えばパッケージング装置の大手メーカーである香港のASM Pacific Technologyは2011年に、SMT装置メーカーのSiemens Electronics Assembly Systemsを買収。FUJI(旧富士機械製造)は2018年に、ダイボンディング装置メーカーのファスフォードテクノロジを買収すると発表している。押森氏は、「プロセス技術の進化に合わせて、われわれも進化していかなければならない」と語る。
新川の社長である長野高志氏は、「これまでの日本は、後工程の装置メーカーと、実装装置メーカーがばらばらだった。だが、製造プロセスが進化する中、世界と競争するには、これらのメーカーが連携を強めなくてはならない。今回の事業統合が、日本における最初の本格的な連携の枠組みになれば」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ヤマハ発動機、新川とアピックヤマダを統合へ
ヤマハ発動機は2019年2月12日、新川を子会社化するともに、新川がアピックヤマダを完全子会社化し、ヤマハ発動機、新川、アピックヤマダの3社間で、半導体製造装置/電子部品実装装置事業を統合すると発表した。 - 最大の半導体製造装置市場となった「ドライエッチング」とは
半導体製造において欠かせないドライエッチングプロセス。ドライエッチング技術は、どのような技術改良を重ねてきたのだろうか。本連載では6回にわたり、ドライエッチング技術で起こったイノベーションの歴史をたどる。