ヤマハ発動機、新川とアピックヤマダを統合へ:後工程装置事業で統合効果狙う
ヤマハ発動機は2019年2月12日、新川を子会社化するともに、新川がアピックヤマダを完全子会社化し、ヤマハ発動機、新川、アピックヤマダの3社間で、半導体製造装置/電子部品実装装置事業を統合すると発表した。
ヤマハ発動機は2019年2月12日、新川を子会社化するともに、新川がアピックヤマダを完全子会社化し、ヤマハ発動機、新川、アピックヤマダの3社間で、半導体製造装置/電子部品実装装置事業を統合すると発表した。事業統合は2019年6〜7月に実施される予定。
3社間の事業統合は、新川がアピックヤマダを公開買付けで完全子会社した後、その新川が第三者割当増資を実施し、ヤマハ発動機が新川を子会社化する。その後、新川は会社分割して設立する新会社に事業を移管し、新川は新会社とアピックヤマダを完全子会社に持つ共同持株会社になる。共同持株会社としての社名は未定で、共同持株会社に対するヤマハ発動機の出資比率は、56.63%になる見込み。また共同持株会社化後も、上場を維持する方針。
新川は、ボンディング装置など半導体後工程装置事業が主力で、2018年6月にパイオニアFA(現PFA)を子会社化し、電子部品実装装置事業も手掛けている。ただ、半導体製造装置価格の下落などの要因から、2009年3月期以降、2017年3月期を除いて、営業赤字の状態が続くなど苦戦を強いられている。
ヤマハ発動機と新川は2015年5月に、ヤマハ発動機が実装装置事業での技術を応用して開発製造するフリップチップボンダーを新川が仕入れ、新川ブランドで販売する販売提携契約を結んで協業してきた。そうした中で両社は、新川の業績低迷に対応するため、資本提携を含めた関係強化を検討。その検討を行っている中、2018年4月にモールディング装置、リード加工機など半導体製造装置を手掛けるアピックヤマダが新川に対して事業統合を提案。これを受け、新川が2018年7月に、ヤマハ発動機に対しアピックヤマダを含めた3社での事業統合を提案し、3社での検討を行った結果、統合合意に至った。
統合についてヤマハ発動機は「3社の技術を融合し、半導体後工程および、電子部品実装分野におけるターンキープロバイダーとして、顧客の期待を超えるトータルソリューションを提供することを目指していく。さらに、日本発の新しいプロセス技術を創造、発信する企業として、新たな参加企業も募り、半導体後工程製造、電子部品組み立て装置市場で世界トップシェアを目指していく」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日立ハイテクが実装機事業から撤退、ヤマハ発動機に資産を譲渡
日立ハイテクノロジーズ(日立ハイテク)が表面実装機事業から撤退すると発表した。併せて、表面実装機事業の資産をヤマハ発動機に譲渡することも明らかにした。譲渡金額は公表していない。 - SCREEN、滋賀・彦根事業所内に新工場棟が完成
SCREENホールディングスの新工場棟「CS-2」が完成した。滋賀県彦根市の彦根事業所内に建設していたもので、ディスプレイ製造装置や成膜装置を増産する体制を整えた。 - 製造コスト「数十分の1」、卓上半導体工場
半導体製造の後工程に革新が生まれそうだ。コネクテックジャパンは製造プロセスを一新することで、後工程に必要なコストを抑え、実装時間を短縮するフリップチップ実装装置「MONSTER DTF」を開発した。特徴は低荷重、低温で半導体パッケージを基板に実装すること。例えばMEMSパッケージをフリップチップ実装できるようになり、最終製品の小型・軽量化にもつながるという。 - JUKIとソニーが実装機器事業を統合、JUKIオートメーションシステムズを設立
JUKIとソニー、ソニーの100%子会社であるソニーイーエムシーエスは、2013年8月1日に設立予定のJUKIオートメーションシステムズに実装機器事業を統合することで合意した。 - TDK、昭和電工の磁石合金開発事業を取得
TDKは2018年11月27日、昭和電工のネオジム磁石合金の研究開発事業をTDKが取得することで、昭和電工と合意し、譲渡契約を締結したと発表した。TDK広報によると取得の金額は非公開。 - UKCとバイテックが経営統合、新会社は「レスターホールディングス」に
UKCホールディングス(以下、UKC HD)とバイテックホールディングズ(以下、バイテックHD)は2018年9月14日、両社の経営統合を行うと発表した。UKC HDが存続会社となり、バイテックHDの株式1株に対し、UKC HDの株式1株を割り当てる。