外国人就労拡大で際立つ日本の「ブラック国家ぶり」:世界を「数字」で回してみよう(56) 働き方改革(15)(3/10 ページ)
ここ最近、連日のように報じられている「外国人労働者の受け入れ拡大」。メディアで報じられている課題はともかく、この外国人就労拡大で際立っているのが、日本の「ブラック国家ぶり」です。このブラックぶりは、驚きを通り越して、むしろすがすがしいほどなのです。
手っ取り早く申請を認めてもらう方法とは?
その一方で、てっとり早く申請を認めてもらう条件として、「我が国への貢献」というものがあります。
この「我が国への貢献」というのは、世界各国政府でも採用している帰化/永住の優先的な特例制度ですので、もしあなたが日本を逃げ出したくなった時(例えば、我が国で、ニュルンベルク法*)みたいな法律が成立してしまった時)に、外国の政府に、永住権をサクっと受け入れてもらえるように、今のうちに「世界的に顕著な功績を上げた有名人」になっておくことをお勧めします。
*)ナチスドイツ政権下で、ユダヤ人から公民権を奪い取ることを目的とした悪名高い法律
以上、長々とお話しましたが、つまるところ「『外国人』とは、『日本人』ではない人」ということです。
ですので、「外国人労働者」とは、文字通り「外国人」の「労働者」のことをいいます。出生によって、または帰化などによって日本人となった人以外の人であって、日本で働く人の全てです。
留学生、技能実習生、あるいは、日本国が認定した専門技術者の方、日本人と結婚された後に日本で働いている人、そして、不法に日本で働いている人も含めて、全部「外国人労働者」です。
外国人労働者数の変化
以下の図は、正確な記述をあえて踏みにじり、「ざっくり理解」優先で記載した、外国人労働者の構成図です*)
*)例えば、下記の図に記載した「外国人配偶者」とは、 正確には「在留資格者」であって、配偶者に限定されるものではありませんし、「留学生アルバイト」とは、正確には「1週28時間以内を限度として包括的な格外活動許可が与えられた者」のことです)
日本の1年分の人口を、ざっくり"100万人"と把握して見ますと(ちなみに、2018年の出生数は92万人)、外国人労働者の総数は、全体として、日本の人口1年分よりやや多いくらいで、日本の労働者人口(6656万人)の2%程度(100人に2人)です。
で、この128万人という数字なのですが、日本の毎月の就業者数の増減数幅(114万人/2018年12月)、完全失業者数(159万人/2018年12月)、ひきこもり者数(推定150万人)とほぼ同程度です。
この128万人を多いと見なすか、少ないと見なすかは意見の分かれるところで ―― ぶっちゃけ私にはよく分かりません(判断から逃げている訳ではなく、本当に分からない)。
では、ここ10年間の外国人労働者の人口の変化を見てみましょう。
どのタイプの外国人労働者も、10年前と比較すると、約2倍以上の人数になっています。このような外国人労働者の増加に対して、日本人の就職の機会の損失を心配する人も少なくありません。確かに"人工知能"などというものにおびえるより、よっぽど現実的な恐怖だとは思います(http://eetimes.jp/ee/articles/1712/22/news016_7.html)。
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