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デジタル時代の敬老精神 〜シニア活用の心構えとは世界を「数字」で回してみよう(57) 働き方改革(16)(5/11 ページ)

今回は「シニアの活用」についてです。やたらとずっと働きたがるシニアに働いてもらうことは、労働力の点から見ればよい施策のはずです。ただし、そこにはどうしても乗り越えなくてはならない壁が存在します。シニアの「ITリテラシー」です。

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いつまでも働き続ける日本人

 さて、ここからは後半になります。後半では、政府の働き方改革での「シニア活用」についてお話していきたいと思います

 ところが、どんなに探しても、シニア活用の具体的な施策の資料が見つからないのです。シニア活用の重要性を、概念的に叫んでいるだけの(役にも立たない)記事はいくつか発見しましたが、その具体案(法律、制度、施策)の記載が全く見あたらないのです。

 なにしろ、「働き方改革実行計画」の中でも、「シニア」という言葉が出てくるのは、1箇所(p.26)だけです。そこには、「こんなことがあればいいな」の願望は書かれていますが、具体的な対策はありません(資料も分析結果程度のものです)。

 さて、「シニア活用」とは一言で言えば、「高齢者を使い倒せ」ということです。実は、この施策、シニア側にも「私たちを使い倒してくれ」という強い要求があり、Win-Winの施策に化ける可能性が高いのです。

 日本人は、「働くのが好き」 ―― というか、我が国は、世界有数の「働きたいシニア」が大量に存在している国です。

 こちらが、その現実と願望のデータです。

 各国との比較は割愛しますが、先進国では間違いなく世界第トップクラスの「働き続けたい国民性」の国であることは間違いありません。

 「『働かない人間には価値がない』と信じている」(個人的な価値観)のか、「『働けない状態』が不安でしょうがない」(国家の将来の福祉政策に対する徹底的な不信)のか、その辺ははっきりしていません(多分、その両方)が、とにかく、"不安"で支えられていることは間違いなさそうです。

 しかし、我が国には、「定年」という考え方があります。「定年」とは一定の年齢に至れば、労働の義務から解放されるもの ―― と思っている人も多いと思います。

 ですが、今回の調査で、私は初めて「定年退職」という言葉はまやかしであり、正確には「定年解雇」が正しい意味であることを知って、ショックを受けています。

 皆さんには、私がまとめた以下の表を読んで、私同様にショックを受けて頂きたいと希望しております。

 つまり、定年制とは「一定の年齢を過ぎていれば、問答無用で解雇できる制度」のことです。わざわざ、皆さんの胸を抉るような言い方をすれば「一刻も早く役に立たないアイツを辞めさせたいけど、組合や法律(労働法など)でトラブル(裁判など)になるのは面倒だ。アイツの定年まで待つのが、もっとも円満で、コストが安く済む」という ―― 日本人全員の合意に基づく労働者の社会的安楽死制度です。

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