デジタル時代の敬老精神 〜シニア活用の心構えとは:世界を「数字」で回してみよう(57) 働き方改革(16)(8/11 ページ)
今回は「シニアの活用」についてです。やたらとずっと働きたがるシニアに働いてもらうことは、労働力の点から見ればよい施策のはずです。ただし、そこにはどうしても乗り越えなくてはならない壁が存在します。シニアの「ITリテラシー」です。
「同じ会社」ではシニア雇用の可能性も高い
そこで、今度は、「転職」ではなく、「同じ企業での再雇用(60歳/65歳以上の同じ会社での雇用)」も含めて、各種の資料を調べてみました。
これは、このEE Times Japanの読者にとっては、朗報となるデータと思います。
私たち、エンジニアは、「転職」という観点では不明ですが、「同じ会社、あるいは同じ職種の他社」においては、シニア雇用の可能性が、抜群に高いことを示しています*)。
*)他の業種については、江端の興味の外ですので、どーでもいいです。
ただ、安心できないデータもあります。企業は、65歳以上の再雇用について、かなり積極的に取り組み出しているのは事実ですが、同時に、「とっとと出てって欲しい」と考えているのも事実なのです。
上記のグラフより、企業にとって残って欲しいシニア人材とは、「会社の役に立って(利益を生み出せて)、かつ、ちゃんと働き続けられること(健康であること)」であると、ドラスチックに応えているのが、よく分かります。
そして、それ以外の人は「NPO」「ボランティア」「再就職」「起業」とかテキトーなことを並べつつ、その本音は「いらない」とバッサリ切り捨てているのです。
しかし、「会社の役に立って(利益を生み出せて)、かつ、ちゃんと働き続けられること(健康であること)」であれば、シニアは、若者よりも、よっぽど役に立つ、コストパフォーマンスに優れた労働力なのです。
既にシニアのフェーズに入っている私は、「若者の雇用を喰いつぶしてでも、私(江端)の雇用を守る」ことに全力を注ぎます。
ローンや老後の生活の問題もありますが、なにより、「暇を楽しめる"才能"が1ミリもない私」にとって、これは、冗談抜きで「命に関わる問題」であるからです。
若者の皆さんがいろいろな楽しいイベントに興じている間も、私は、週末エンジニアモードで新しい知識や技術の取得を続けており、その死角はありません(著者のブログ)。
江端に喰いつぶされないよう、ゆめゆめ油断されませんように。
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