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DRAMのスケーリング論福田昭のストレージ通信(140) 半導体メモリの技術動向を総ざらい(3)(2/2 ページ)

今回はDRAMのスケーリングと、次世代メモリへのニーズが高まっている背景を取り上げる。

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NANDフラッシュとDRAMの短所と長所

 現行世代メモリの代表であるNANDフラッシュメモリとDRAMはいずれも、性能面で問題を抱える。ユーザーは不満を抱えつつも、使わざるを得ない。そこからユーザーの要望を完全に近い形て満たすメモリ、すなわち「次世代メモリ(New Memory)」への要求が生じている。

 性能面の問題を見ていこう。NANDフラッシュメモリはアクセスが遅く、アクセスするデータの単位が大きく、書き換え回数の制限がある。その代わりに、記憶容量当たりの価格は非常に低い。

 DRAMは電源を切るとデータが消えてしまう。シリコンダイ当たりの記憶容量はあまり増えなくなっている。そしてユーザーから見ると、チップ価格はあまり安いとは言えない。その代わりに良い点も数多くある。アクセスは高速であり、アクセスするデータの単位は小さく、書き換え回数の制限がない。


NANDフラッシュメモリとDRAMの性能から見た、次世代メモリ(New Memory)が必要とされる理由。出典:MKW Venture Consulting, LLC(クリックで拡大)

使いにくい現行世代メモリへの不満が次世代メモリのニーズを生み出す

 将来を展望したときに、NANDフラッシュメモリのスケーリング(高密度化)は続くものの、品質と速度の低下は避けられない。DRAMのスケーリング(微細化と高密度化)も続くが、そのペースはユーザーが望むペースよりも、はるかにゆっくりとしたものになる。

 ユーザーが現行世代のメモリに対して抱えている不満は、時間の経過とともに緩和されるのではなく、時間の経過とともに強まる。ここに、次世代メモリを期待する声が高まっている大きな理由がある。


NANDフラッシュメモリとDRAMのスケーリングと、次世代メモリの必要性に関するまとめ。出典:MKW Venture Consulting, LLC(クリックで拡大)

次回に続く

⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧

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