ニュース
東芝、CMR方式HDDで最大容量16Tバイトを実現:業界標準の3.5型で置換も容易
東芝デバイス&ストレージは、CMR(従来型磁気記録)方式で記憶容量が最大16Tバイトの3.5型ニアラインHDD「MG08シリーズ」を開発した。
ディスク9枚を搭載し、ヘリウムで満たす
東芝デバイス&ストレージは2019年1月、CMR(従来型磁気記録)方式で記憶容量が最大16Tバイトの3.5型ニアラインHDD「MG08シリーズ」を開発、1月下旬よりサンプル出荷を始めると発表した。
MG08シリーズは、独自のレーザー加工技術と機構設計技術を活用して開発。ヘリウム充填(じゅうてん)方式を採用しディスク9枚の搭載を可能とした。さらに、ディスクの磁気記録層とヘッドの機能を改善し、記録密度を高めている。これにより、同社の前世代品(14Tバイト)に比べて、記憶容量は14%も増加した。ディスクの回転数は7200rpmである。
バッファ容量は512Miバイトで、前世代品に比べて2倍となる。MTTF(平均故障時間)は250万時間。インタフェースはSAS(12.0Gビット/秒)とSATA(6.0Gビット/秒)を用意した。アドバンストフォーマットは4Kn(4Kネイティブ)または512e(512バイトエミュレーション)に対応している。この他、パーシステントライトキャッシュ技術を採用しており、突発的な電源喪失時にも、データ損失を防ぐことができるという。
MG08シリーズは、クラウドのストレージシステムやビジネスクリティカルなサーバ/ストレージ、ファイルやオブジェクトストレージといった用途に向ける。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 武器は横断提案と密結合、東芝が見いだす車載の勝ち筋
日系半導体ベンダーの雄として、ディスクリートからシステムLSIまで豊富な車載ラインアップをそろえる東芝デバイス&ストレージ。同社は2017年10月に、車載半導体事業の拡大に向けて「車載戦略部」を新設した。同部署で部長を務める早貸由起氏は、これからの車載事業戦略をどのように描いているのか――。 - AIプロセッサを開発した東芝メモリの狙い
東芝メモリは2018年11月6日、ディープラーニング専用のプロセッサを開発したと発表した。今回同社が開発したのは、推論向けの技術。アルゴリズムとハードウェアの協調設計により、従来の方法に比べて認識精度をほとんど劣化させずに演算量を削減し、推論の高速化と低消費電力化を図ることに成功した。 - 東芝、車載リチウムイオン電池事業で米社と協業
東芝インフラシステムズと米国ジョンソンコントロールズパワーソリューションズ(JCI)は、車載システム向けリチウムイオン電池事業で協業することに合意した。米ミシガンのJCI工場で、リチウムイオン電池の製造および、鉛蓄電池と組み合わせた車載向け製品の開発と製造を行う。 - 東芝メモリ、四日市工場第6製造棟での量産を開始
東芝メモリとWestern Digitalは2018年9月19日、東芝メモリ四日市工場(三重県四日市市)の新製造棟「第6製造棟」が完成し、同製造棟で3次元構造のNAND型フラッシュメモリ(以下、3D NANDフラッシュ)の量産を開始したことを発表した。 - IoT機器の固体認証向け新PUF技術、東芝が開発
東芝は、IoT(モノのインターネット)機器の固体認証を行うための物理複製困難関数(PUF:Physically Unclonable Function)技術を開発。自走ロボットに搭載し、機器間の相互認証が可能であることを確認した。 - 東芝デバイス&ストレージ、エイブリックと提携
東芝デバイス&ストレージは、アナログ半導体専業メーカーのエイブリックと、ミックスドシグナルIC分野において提携する。