Samsung、HBM2E準拠のメモリ「Flashbolt」を発表:NVIDIAの「GTC 2019」で
Samsung Electronics(以下、Samsung)は、HBM(High Bandwidth Memory)の新製品として、HBM2E規格に準拠した「Flashbolt」を発表した。記憶容量は既存品の2倍になるという。
Samsung Electronics(以下、Samsung)は、HBM(High Bandwidth Memory)の新製品として、HBM2E規格に準拠した「Flashbolt」を発表した。記憶容量は既存品の2倍になるという。同メモリは、NVIDIAが2019年3月に開催した「GTC 2019」(米国カリフォルニア州サンフランシスコ)で発表された。
Flashboltは、1ピン当たり3.2Gビット/秒(bps)のデータ転送速度を実現し、前世代品に比べて33%高速化したという。Samsungのメモリマーケティング部門でシニアマネジャーを務めるTien Shah氏は、Flashboltの帯域幅は410GB/sで、容量は16GBであると述べた。Shah氏によると、より高密度に対応するため、Samsungは、マイクロバンプのレイアウトを新たに設計し、パッケージサイズも若干変更する必要があったという。
HBMは、通常はグラフィックシステムや高性能演算に用いられるが、AI(人工知能)も急速に成長市場になりつつある。Shah氏は「機械学習のトレーニングを高速化するため、かつてないほど高いメモリ帯域幅が求められるようになっている。より高速で、より高精度な機械学習/深層学習が求められている」と述べた。帯域幅が増加したFlashboltは、速度面での課題に応えられるはずだ。精度面の課題に対処できるほど十分な容量も備えている。
Shah氏は、HBMはAI向けプロセッサ用メモリの選択肢になりつつあると述べ、GPUやASIC、FPGA、Googleの「TPU(Tensor Processing Unit)」など、AI向けプロセッサやアクセラレーターとして用いられているプロセッサ/アクセラレーター市場の成長によって、HBMの成長も加速するのではないかと続けた。HBMは、ゲームやグラフィックデザイン向けPCなど、その性能や小型のフォームファクタが求められる一部のコンシューマー向けアプリケーションにも用いられている。
HBMは、登場した当時には存在していなかった新しいユースケース(とりわけAI)に活路を見いだしているが、NVIDIAやAMDのグラフィックスカードに搭載されているGDDR5と同様、将来的にはスマートフォンにも使われる可能性がある。
JEDEC(JEDEC半導体技術協会)は2018年12月、HBM DRAM規格をアップデートし、「JESD235」を発表した。同規格は、ピーク帯域幅、ワット当たりの帯域幅、面積当たりの性能が重要な基準となるアプリケーションのニーズに応えることを焦点を当てている。このアップデートは、2015年11月にリリースされた最初のHBM規格に対して行われたものだ。JESD235では、より高密度のコンポーネントに向けて、16Gbレイヤーと12Hi構成に対応するフットプリントオプションが追加された他、ピン当たりの帯域幅が2.4Gbpsに拡張された。
Samsungは2019年後半にFlashboltの出荷を開始する予定だが、Shah氏は、HBMを搭載した製品がいつごろ市場に投入され始めるのかについては言及しなかった。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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