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横河計測、モジュール構造のパワーアナライザーTECHNO-FRONTIER 2019

横河計測は、「TECHNO-FRONTIER 2019(テクノフロンティア)」で、モーターやインバーターの開発、評価用途に向けた最新の測定器を紹介した。

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電力測定、確度±0.03%で最大7入力に対応

 横河計測は、「TECHNO-FRONTIER 2019(テクノフロンティア)」(2019年4月17〜19日、千葉・幕張メッセ)で、モーターやインバーターの開発、評価用途に向けた最新の測定器を紹介した。

 プレシジョンパワーアナライザー「WT5000」は、電力基本確度トータルで±0.03%を達成し、最大7入力まで対応した製品である。高い精度で多チャンネルの同時評価を可能とするなど、高効率モーターの開発を支援する。また、電力入力エレメントをモジュール構造としたことで、ユーザー自身で入力構成を変更したり、追加したりすることが可能になった。

プレシジョンパワーアナライザー「WT5000」の外観
プレシジョンパワーアナライザー「WT5000」の外観

 WT5000は、従来製品「WT3000E」の後継機と位置付けており、基本的な性能や機能を大幅に改善した。例えば、電力基本確度トータルは従来の±0.04%から±0.03%にすることで、わずかな変化をより正確に捉えることが可能になった。DC測定確度は同じく±0.15%から±0.07%に改善した。

 もう1つの特長が、電力入力エレメントをモジュール構造にしたことだ。従来製品は入力部が固定式で、最大4入力であった。これに対しWT5000は、同じ筐体サイズでありながら、1台で最大7入力の電力測定を可能にした。電力入力エレメントは定格入力30Aタイプと5Aタイプの2種類を用意していて、測定用途に応じた組み合わせを選択し、筐体に実装することができる。

 最大7入力に対応したことで、EVやPHV向けインバーター回路の効率評価を1台で行える。オプションのモーター評価機能を追加すれば、最大4モーターの回転速度やトルク、機械的出力の変化を同時に測定することが可能となる。海外で採用されている6相モーターにも1台で対応できるという。

 世界最高レベルの測定精度を実現するため、A-Dコンバーターもより高性能にした。これまでは分解能が16ビット、サンプリングレートは200kサンプル/秒だった。WT5000に搭載したA-Dコンバーターは、分解能が18ビットでサンプリングレートは10Mサンプル/秒と大幅に高速化した。これにより、最新のインバーター波形も、より正確にデジタル化することが可能になった。

「見えなかった異常な波形が見える」

 新型のミックスドシグナルオシロスコープ「DLM3000シリーズ」は、同社が強みとしてきたサンプリングレートの向上やアクイジションメモリの大容量化を一段と進めたモデルだ。機能を強化したことでモーター開発などの工程において、これまで観測できなかった異常な波形を確認することができる。また、タッチパネルの採用により、直観的な操作性を可能にした。


ミックスドシグナルオシロスコープ「DLM3000シリーズ」の外観

 DLM3000シリーズは周波数帯域が200M〜500MHzというミッドレンジクラスのオシロスコープである。従来製品はサンプリングレートが1.25Gサンプル/秒で、アクイジションメモリとして最大250Mポイントの容量を備えるなど、これまでも十分に高速で長時間観測を可能にする製品であった。

 DLM3000シリーズは、サンプリングレートが全チャンネル同時に2.5Gサンプル/秒と、さらなる高速化を図った。メモリは最大500Mポイントと大容量化を実現した。また、内部の信号処理回路も一新し、残留ノイズを半減させるとともに、最小500μVの最小入力レンジを追加するなど微小な信号計測を可能にした。

 さらに、アナログ入力とロジック入力を組み合わせた多彩な「トリガー機能」や、取り込んだ波形を過去にさかのぼって確認できる「ヒストリ機能」なども搭載している。オプションのシリアルバス解析機能を追加すれば、「CAN」や「CAN FD」「FlexRay」といった車載用シリアルバスの信号解析も可能である。

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