宇宙ビジネスの拡大に対応
日本電波工業は2019年5月、宇宙用電子機器に搭載可能な水晶発振器(XO)を開発し、受注を開始した。
同社は、1978年に当時のNASDA(現在はJAXA)より、宇宙開発用水晶振動子の認定を取得。それ以降も、人工衛星やロケットなどに搭載される電子機器に向けた水晶発振器を開発し、供給してきた。近年は宇宙利用のビジネスが注目されている。新製品を投入することで、海外市場も含めて同事業の拡大を図る。
新製品は、公称周波数が41M〜100MHz、消費電流は最大40mA、出力レベルはAC-MOSロジックなどとなっている。パッケージはダブルシール構造を採用することで信頼性を向上させた。外形寸法は15.8×15.8×3.5mmである。
同社は、JAXA規格の品質確認試験を実施。新製品はJAXA-QTS-2020宇宙開発用信頼性保証混成集積回路共通仕様書に適合しており、JAXAの認定を取得している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 5Gで水晶の置き換え狙う、±5ppbの「MEMS OCXO」
SiTimeは2018年11月5日、主に5G(第5世代移動通信)ネットワークで使用されるタイミングデバイス向けに、恒温槽型(オーブン制御)のMEMS発振器を主製品とするプラットフォーム「Emerald」を発表した。±5ppb〜±50ppbという高い周波数安定性を実現している。 - BAW共振器をマイコンに内蔵、外付けの水晶が不要に
Texas Instruments(TI)はドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2019」(2019年2月26〜28日)で、通信インフラやネットワークルーターなどのクロック源としてBAW(バルク弾性波)共振器を搭載したワイヤレスマイコン「SimpleLink CC2652RB(以下、CC2652RB)」と、ネットワーククロックシンクロナイザー「LMK05318」を発表した。 - 電動飛行機の実現へ、JAXAらがコンソーシアムを発足
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、航空機の電動化技術を開発し、航空産業と電機産業の連携を促進することを目的とした「航空機電動化(ECLAIR:エクレア)コンソーシアム」を設立した。 - IPC規格、接続信頼性の試験時間を大幅短縮
IPCとジャパンユニックスは、宇宙航空向け機器で高い信頼性を実現するために活用されている、品質標準規格「IPC」の追加規格や応用事例を紹介するセミナーを開催した。