Intelが7nm開発にメド、2021年に市場投入を予定:10nmプロセッサも19年6月に出荷(2/2 ページ)
Intelの経営幹部は、同社の投資家向けの年次ミーティングにおいて「当社の10nmプロセッサは、これまで出荷予定に遅れが生じていたが、今回は、2018年に発表したスケジュール通り、2019年6月に出荷を開始できる見込みだ」と述べた。7nmプロセッサの出荷を2021年に予定していることも明らかにした。
従来の「Tick-Tock」には、こだわらない
Renduchintala氏は、「Intelでは現在、プロセッサの微細化において、従来の『Tick-Tock(チックタック)戦略』にこだわらない、新しいイノベーションモデルへと移行しているところだ。新しいプロセス技術やパッケージング技術を取り入れて、個々のICブロックやチップレットをヘテロジニアスに統合することなども含まれる。Intelは、シングルダイをはるかに超えるインテグレーションの実現に向け、その手法を拡大しようとしている」と語った。
また同氏は、「当社の製品の性能は、プロセスおよびパッケージング、アーキテクチャ、メモリ、インターコネクト、セキュリティ、ソフトウェアの6つの分野におけるイノベーションによってけん引されていくだろう」と続けた。
IntelのCEOであるBob Swan氏は、同年次ミーティングにおいて、同社の今後数年間の計画について説明した。同社は引き続き、PC重視からデータ重視へと移行していくことにより、幅広い種類の製品向けに数多くの半導体チップを提供していく考えだとしている。
Swan氏は、「Intelの年間売上高は、2018年の708億米ドルから、2022〜2023年には850億米ドルに増加する見込みだ。製品ポートフォリオを拡充し、対応可能な市場を拡大していくことにより、2018年はPCおよびサーバチップ分野で520億米ドルを少し上回る規模だったが、2023年には、データセンターやIoT、ネットワーク、PC分野など全体で約3000億米ドル規模まで拡大できる見込みだ」と述べている。
IntelのData Center Groupでエグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーを務めるNavin Shenoy氏は、「当社はこれまで、新しい『Xeon』CPUを5〜7四半期ごとのペースで発表してきたが、今後は4〜5四半期へとペースを上げていく予定だ」と述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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