19年Q1の半導体売上高、Intelが首位に返り咲き:メモリ市場の低迷で
市場調査会社のIC Insightsによると、2019年第1四半期における半導体売上高ランキングにおいて、メモリ市場の低迷からSamsung Electronics(以下、Samsung)が2位に落ち、Intelが首位に返り咲いた。
市場調査会社のIC Insightsによると、2019年第1四半期における半導体売上高ランキングにおいて、メモリ市場の低迷からSamsung Electronics(以下、Samsung)が2位に落ち、Intelが首位に返り咲いた。
Intelの同四半期における売上高は158億米ドルで、前年同期比でほぼ横ばい。対するSamsungは、2018年第1四半期の185億米ドルから2019年第1四半期は120億米ドルと、34%減少している。
IC Insightsは、DRAMとNAND型フラッシュメモリ市場の低迷が、IntelとSamsungの順序が逆転した原因だと指摘した。
2019年Q1 順位 |
2018年Q2 順位 |
メーカー名 | 2018年Q1 売上高 |
2019年Q1 売上高 |
成長率 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | Intel | 15,832 | 15,799 | 0% |
2 | 1 | Samsung Electronics | 19,401 | 12,867 | ▼34% |
3 | 3 | TSMC | 8,473 | 7,096 | ▼16% |
4 | 4 | SK hynix | 8,141 | 6,023 | ▼26% |
5 | 5 | Micron Technology | 7,486 | 5,475 | ▼27% |
6 | 6 | Broadcom | 4,559 | 4,375 | ▼4% |
7 | 7 | Qualcomm | 3,897 | 3,722 | ▼4% |
8 | 9 | Texas Instruments(TI) | 3,566 | 3,407 | ▼4% |
9 | 8 | 東芝/東芝メモリ | 3,827 | 2,650 | ▼31% |
10 | 12 | Infineon Technologies | 2,267 | 2,253 | ▼1% |
11 | 10 | NVIDIA | 3,108 | 2,220 | ▼29% |
12 | 11 | NXP Semiconductors | 2,269 | 2,094 | ▼8% |
13 | 13 | STMicroelectronics | 2,214 | 2,066 | ▼7% |
14 | 25 | HiSilicon | 1,245 | 1,755 | 41% |
15 | 19 | ソニー | 1,535 | 1,746 | 14% |
半導体市場合計 | 87,820 | 73,548 | ▼16% | ||
出典:IC Insights |
半導体売上高上位15社の累計売上高は、2018年第1四半期と比較して16%減少。半導体業界全体での減少率は13%だが、この数値よりも減少率が多くなっている。Samsung、SK hynixおよびMicron Technology(以下、Micron)のメモリ大手各社は軒並み売上高が減少。SK hynixは前年同期比で26%減、Micronは同27%減となった。
ソニーと、Huaweiの半導体部門であるHiSiliconは今回、上位15社に食い込んだ。2018年第1四半期のランキングに比べ、HiSiliconは25位から14位に、ソニーは19位から15位にランクアップしている。特にHiSiliconは、前年同期比で41%の売上高増を記録した。一方のソニーは堅調なCMOSイメージセンサーにより売上高が14%増加した。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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