Intelの創業10年目(1977年):フロッピードライブやCRTモニターなどのコントローラーを発表:福田昭のデバイス通信(189) Intelの「始まり」を振り返る(22)(1/2 ページ)
Intelの創業10年目となる1977年。今回はマイクロコンピュータ製品の動向を説明する。
周辺機器コントローラーの新製品を相次いで開発
Intelの公式文書である「年次報告書(アニュアルレポート)」をベースに、Intelの創業期の活動を創業年(1968年)から1年ずつ記述する連載の第22回である。本シリーズの第19回から、創業10年目である1977年の状況を紹介している。第19回は1977年の業績概要を、第20回(前々回)は1977年の主な出来事をご説明した。第21回(前回)からは、1977年における半導体製品の状況を解説している。
Intelの半導体製品は大きく2つに分かれる。メモリ製品とマイクロコンピュータ製品である。前回はメモリ製品の動向について解説した。今回はマイクロコンピュータ製品の動向をご説明する。
マイクロコンピュータ製品は、主に3つに分かれている。マイクロプロセッサ、周辺機器コントローラー、マイクロコントローラーである。
マイクロプロセッサの主力製品は、8ビットマイクロプロセッサ「8080ファミリー」の後継品種である、「8085ファミリー」へと移行した。「8085ファミリー」は電源電圧を5V単一に簡素化したことを、重要な特長とする。
周辺機器コントローラーは1977年に相次いで発表された。フロッピーディスク・コントローラー「8271」、HDLC(High-Level Data Link Control)/SDLC(Synchronous Data Link Control)プロトコル・コントローラー「8273」、CRT(Cathode Ray Tube)コントローラー「8275」などである。
マイクロコントローラーの主力製品は、8ビットの「MCS-48ファミリー」である。1977年はファミリーの製品数を拡大した。マスクROM内蔵品「8048」の低コスト品「8021」や、「8048」に比べてマスクROMの容量を2KBと2倍に増やした「8049」などを発表した。また、マスター(ホスト)のマイクロコントローラーと組み合わせて使う、スレーブ用マイクロコントローラー「8741」を開発した。
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