見せてもらおうか、“真のホログラム”の性能とやらを:Looking Glassが企業向けに登場(3/3 ページ)
Looking Glassの開発と製造、販売を手掛ける米Looking Glass Factoryは2019年5月28日(米国時間)、これまで開発者および3Dクリエイター向けに展開してきたLooking Glassのエンタープライズ向けとなる「Looking Glass Pro」を期間限定で先行販売すると発表した。
「日本のクリエイターのアイデアに驚いた」
Looking Glass Factoryの共同創設者兼CEOのShawn Frayne氏によれば、同社は今後、開発者/3Dクリエイター向けとエンタープライズ向けの2つに注力していくという。「将来的には民生分野に参入することも考えてはいるが、当面は開発者向けとエンタープライズ向けにターゲットを絞る」(Frayne氏)
Looking Glass Proの市場としては、米国と日本を重点市場に据える。Frayne氏は、「Looking Glassでは日本のクリエイターによるさまざまなアイデアに驚かされた。例えば、360度のサラウンドビューを撮影し、それを3Dで表示するアプリがあるのだが、日本人クリエイターが開発したものだ」と述べ、日本市場に期待していると述べた。現在、Looking Glass Proの多数のドキュメントも日本語で準備を進めているところだという。
Frayne氏によれば、上記の360度サラウンドビューのように、優れたアプリを開発したクリエイターがいた場合、Looking Glass Factoryがそれを買い取ったり、あるいはそのクリエイターを雇用したりする可能性もあるという。また、ユーザーは、開発したアプリをライブラリで共有することができる。
Frayne氏は「VR/ARヘッドセットを1日十数時間も装着し続けるような未来も予測されているが、われわれが目指すのはそのような日常ではない。ヘッドセットのいらないホログラムを現実世界へと持ち込み、教育や医療の現場を変えていくことだ」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 手に乗せた“バーチャル心臓”が鼓動する! ホログラムを医療現場へ
近い将来、外科手術が大きく変わるかもしれない。イスラエルRealView Imagingは、医師が手のひらに、臓器のホログラフィ画像を乗せ、自由に動かしたり触ったりできる技術を開発している。2013年には、同技術を利用して16歳の患者の心臓外科手術が行われた。 - JDI、1001ppiのVRディスプレイを2018年度中に量産
ジャパンディスプレイは2018年5月10日、VR(仮想現実)ヘッドマウントディスプレイ(HMD)専用の3.25型1001ピクセル/インチ(ppi)低温ポリシリコン(LTPS)TFT液晶ディスプレイを開発したと発表した。同社では、2018年度中に1000ppiを超える高精細ディスプレイを量産する予定だ。 - ソニー、イメージセンサー需要拡大で設備投資増額
ソニーは2019年5月21日、東京都内で、2019年度の経営方針説明会を開催した。同社社長兼CEOの吉田憲一郎氏は、CMOSイメージセンサー事業について、「今後数年の増産投資が必要だ。生産設備は陳腐化しにくく、長期的に投資リターンは高い」と説明。2020年度までの3年間の設備投資を従来の1兆円から、1兆1000億〜1兆2000億円に増額することを明かした。また、3年間累計の金融分野を除く営業キャッシュフロー目標を2兆円から2兆2000億円以上に増額することも発表した。 - Raspberry Pi搭載CPUの変遷にみた「上手なチップ開発術」
今回は、シングル・ボード・コンピュータの代表格である「Raspberry Pi」に搭載される歴代のCPUチップを詳しく観察していこう。現在、第3世代品が登場しているRaspberry Piは、世代を追うごとに、CPUの動作周波数が上がり、性能がアップしてきた。しかし、チップを観察すると、世代をまたがって同じシリコンが使われていた――。 - 脳波で文字入力、言語障害があっても手軽に会話を
ロシアのスタートアップ企業NeuroChat社は、「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、千葉市・幕張メッセ)の「Co-Creation」エリアに出展し、脳波を利用して文字を入力するシステム「NeuroChat」を展示した。