エプソン、スマート振動センサーで実装を容易に:Smart Sensing 2019
セイコーエプソンは、「Smart Sensing 2019」で、高精度の3軸加速度センサー「M-A352」と後段の信号処理部を組み合わせた「スマート振動センサー」を参考展示した。
高精度3軸加速度センサーとデータ処理部を組み合わせ
セイコーエプソンは、「Smart Sensing 2019」(2019年6月5〜7日、東京ビッグサイト)で、高精度の3軸加速度センサー「M-A352」とデータ処理部を組み合わせた「スマート振動センサー」を参考展示した。信号解析用のPCなどを別途用意する必要がなく、生産設備にも容易に組み込むことが可能となる。
M-A352は、独自の微細加工技術を用いた水晶センサー素子を搭載している。これにより、低ノイズで高い安定性、低消費電力を実現している。例えば、「M-A352AD10」は、検出範囲が最大15Gで、ノイズ密度は0.2μg/√Hz(代表値)を達成した。一般的なMEMSセンサーに比べ、極めて微小な振動の変化を測定できるという。耐衝撃性も1200Gを実現するなど、同社従来製品に対して4倍も向上させた。
用途として、建造物の健全性診断(構造ヘルスモニタリング)や地震観測、建機やロボットの姿勢検出、産業機器の状態監視などを想定している。
同社は、M-A352の新たな利用方法として「スマート振動センサー」も提案した。M-A352で収集したデータをデバイス側で処理することにした。従来はPCやPLCで処理していた多段階のしきい値判断など、データの分析や状態判定までもデバイス側で行い、その結果を出力することができる。このため、センサー部の回路設計が簡素化され、生産設備への実装が容易となる。
ブースでは、スマート振動センサーと、検知した振動を5段階でカラー表示できる装置を防振台上に設置し、テーブルの振動を検知するデモを行った。デモシステムでは、データ処理して解析、判断する回路は表示装置側に内蔵しているという。
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