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小型スピーカーの性能を最大限引き出すDSM搭載アンプ高根の花“DSM”が手軽に(2/2 ページ)

Maxim Integratedは2019年6月11日、モバイル機器などに搭載されるマイクロスピーカー(小型スピーカー)の性能を引き出すダイナミックスピーカー管理(以下、DSM)機能を搭載するD級オーディオアンプ「MAX98390」を発表した。従来、膨大な開発費が必要で年間100万台以上の大量生産を行うスマートフォンなどの完成品に事実上、使用が限られていたDSM機能を、産業機器など量産規模の小さな完成品でも搭載できるようになる。

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5〜10分で、定格出力1Wのマイクロスピーカーが5.1W出力に

 MAX98390のDSM機能は、定格出力1〜3Wのマイクロスピーカーを最大5.1W程度で安全に駆動できるとする。また低音域についても最大2オクターブ低い音まで出力できるようになるという。


「MAX98390」のDSM機能を使用した場合の出力音量/音域拡大イメージ。緑で表現した部分の音域、音量が拡大する(クリックで拡大) 出典:Maxim Integrated

消費電力低減にも貢献


可聴域のみ出力し、消費電力を削減する「Perceptual Power Reduction(PPR)機能」のイメージ(クリックで拡大) 出典:Maxim Integrated

 出力音量、出力音域を拡大するだけでなく、オーディオシステムの低消費電力化も実現可能だという。「DSM機能非搭載の場合、ハイパスフィルターで静的に低音域をカットするだけで、耳に聞こえない高音や低音を出力し、電力的な損失が大きかった。

 MAX98390は、出力を可聴域に限定することができ、最大25%の電力消費を削減できる」とする。MAX98390が搭載するブースト内蔵D級アンプは86%のピーク効率を実現し、MAX98390の自己消費電力は24mWと小さい。


「MAX98390」のブロック図と特長(クリックで拡大) 出典:Maxim Integrated

 Mow氏は「DSM Sound Studioでは、マイクロスピーカーメーカーから提供されるスペックを入力し、マイクロスピーカーを動作させることで特性評価が行え、短時間でアルゴリズムが完成する。5分、10分程度の時間で、定格出力1Wのマイクロスピーカーから、低音域が豊かな音を5Wで出力できるだろう」とする。そして、「これまで、利用が限られたDSM機能だが、MAX98390の登場でその制約はなくなった。ホストプロセッサに負担をかけることもなく、DSPを外付けすることなく、MAX98390だけでDSM機能が実現できる。マイクロスピーカーを搭載するモバイル機器はもちろんのこと、産業機器などでもコストを抑えながら、高音質の音声ユーザーインタフェースを搭載できるようになるだろう」とした。

 なお、MAX98390の価格は、1.95米ドル。評価キットの「MAX98390EVSYS#」の価格は200米ドル。同社ウェブサイトまたは正規販売代理店経由で既に購入できる。

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