道路に埋め込むIoTセンサー、道路状況を自動で予測:イスラエルの新興企業
イスラエルのスタートアップ企業Valerannは、2019年7月18〜19日に東京都内でソフトバンクが開催したイベント「SoftBank World 2019」で、道路に埋め込むIoT(モノのインターネット)センサー「Smart stud(スマートスタッド)」を利用した道路状況監視システムの展示を行った。説明担当者は、「道路の情報をリアルタイムで解析可能なので、これまでマニュアルでカメラを見ながら判断していた作業を全て自動化できる」と話した。
イスラエルのスタートアップ企業Valerannは、2019年7月18〜19日に東京都内でソフトバンクが開催したイベント「SoftBank World 2019」で、道路に埋め込むIoT(モノのインターネット)センサー「Smart stud(スマートスタッド)」を利用した道路状況監視システムの展示を行った。説明担当者は、「道路の生の情報をリアルタイムで解析可能。これまでは、マニュアルでカメラを見ながら判断していた作業を全て自動化できる」と話した。
Valerannは、IoTによって道路状況監視を自動化する「スマートロードシステム」を開発するイスラエル発のスタートアップ企業だ。2016年の創業以降、国際的なイノベーションコンテストで受賞するなど注目を集めており、米国のI-95高速道路や英国M1モーターウェイでは、このシステムの実証実験も実施している。同社は2018年に、ソフトバンクが技術支援やビジネスマッチングなどを行う「IoTパートナープログラム」に参加している。
リアルタイムに渋滞や事故を感知、予測
同社が開発する、スマートロードシステムは、複数の物理センサーを搭載したスマートスタッドを、10〜15m間隔で道路に埋め込むことで、走行する車両の分類や、総数、走行速度、そして雪や雨などの環境情報をリアルタイムで取得。道路に沿って配置するゲートウェイを通じて同社のクラウドに送信し、独自のアルゴリズムによって、渋滞や事故、落下物などの感知や、渋滞予測などを自動で行うというものだ。
クラウドには専用のAPIを介して各種デバイスで接続可能だといい、「将来的にはコネクテッドカーに直接情報を送るといった応用も考えられる」(説明担当者)という。
搭載するセンサーについては、「IPなので詳しくは明かせない」(説明担当者)が、7トンのトラックが上を走っても問題ない耐久性がある。また、7年間は交換不要なので、セメントの張替の周期に対応できる」と話していた。
会場では、スマートロードシステムのデモが展示されており、クルマの種類や数、速度などの分析のほか、道路上の渋滞状況をグラフィックで表示される様子が確認できた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 竹芝が“未来都市”に!ソフトバンクの次世代街づくり
AI、5G(第5世代移動通信)、そして各種IoT(モノのインターネット)機器など、最先端のテクノロジーを融合した"スマートシティー"の実現が近づいている。舞台となるのは東京都港区の「竹芝地区」。ソフトバンクと東急不動産が共同で、2020年の開業を目指して開発を続けている。 - 「日本はAI後進国」 ソフトバンク孫氏が危機感を強調
ソフトバンクグループ会長兼社長、孫正義氏は2019年7月17日、東京都内で実施した企業向けイベント「SoftBank World 2019」の基調講演で登壇した。孫氏はAIによるイノベーションの展望に触れたうえで、「日本はAI後進国になった。手遅れではないが、1日も早く目を覚ましてキャッチアップしなければならない」と訴えていた。 - IoTプラットフォーム向け通信モジュールを開発
ソフトバンクと村田製作所は、ソフトバンクのIoT(モノのインターネット)プラットフォームに対応する小型のLPWA(Low Power Wide Area)通信モジュールを共同開発した。 - ams、ソリッドステートLiDAR技術でIbeo、ZFと提携
amsの日本法人amsジャパンは、5月21日、東京都内で事業戦略に関する説明会を実施した。来日したamsの最高執行責任者(COO)のThomas Stockmeier氏は、車載領域の事業に注力する方針であることを強調し、「今後数年で、モバイル関連領域の事業に次ぐ、ナンバー2のビジネスになる」とした。また、amsが、ソリッドステートLiDAR技術促進のため、独Ibeo Automotive Systems、独ZF Friedrichshafenの2社と提携したことも発表。2021年までに同技術の実用化を目指すことを明かした。 - 自律センシング技術の市場投入を加速するLiDAR製品
アナログ・デバイセズは、センサーシステムなどを手掛ける独First Sensorと協業する。両社の持つデバイスの相互接続を最適化したLiDARソリューションを共同開発し、自律輸送システム市場へ提供する。 - ローデ、自動車向けテストソリューションを提案
ローデ・シュワルツ・ジャパンは、「車載レーダー」や「コネクティビティ」などに関連する自動車業界向けテストソリューションについて、記者説明会を開催した。