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メモリ不況でも強気なMicron、200層3D NANDも視野にCEO「投資続ける」(1/2 ページ)

シンガポール工場を拡張したMicron Technology。現在のメモリ市況は低迷し、メモリ減産を発表したMicronではあるが、同社CEOは「投資を続ける」と明言する。200層の3D NAND型フラッシュメモリの製造開始も視野に入れている。

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 Micron Technology(以下、Micron)は2019年8月14日(シンガポール時間)に、シンガポールのNAND型フラッシュメモリ工場を拡張したと発表した(関連記事:MicronがシンガポールのNANDフラッシュ工場を拡張)。

 Micronとシンガポールの関わりは、同社がTexas Instruments(TI)のメモリ事業を買収した1998年にさかのぼる。MicronがTIから譲渡される資産の中には、TIがシンガポールに保有していたメモリのアセンブリ/テスト工場が含まれていた。以来、Micronは150億米ドルを超える資金をシンガポール工場に投資し、クリーンルームを拡張してきた。2010年の「Fab 10N」を皮切りに、2016年には3D(3次元) NANDフラッシュを製造する「Fab 10X」を建設。そして今回、最先端の3D NANDフラッシュへの技術移管を行うべく「Fab 10A」を新設した。


MicronのManish Bhatia氏

 既報の通り、Fab 10Aでは64層の3D NANDフラッシュの製造から始め、96層、128層へと移行していく。Micronでグローバルオペレーションズ エグゼクティブバイスプレジデントを務めるManish Bhatia氏は、「現在、われわれが量産している最先端の3D NANDフラッシュは96層で、128層の量産に向けてもある程度メドが立っている状況にある。さらに今後数年間で、200層の製造も視野に入れている」と述べる。

 「層の数が増えるということは、それだけウエハーの処理工程数が増えるということだ。つまり、装置の数も増えることになる。今回、シンガポール工場を拡張したことで、より複雑で高度な装置やプロセスを使用するこれらの最先端3D NANDフラッシュを開発および量産できるようになるだろう。シンガポール工場では今後、NANDフラッシュの市場動向を見つつ、Micronの技術ロードマップに沿って、技術移管と量産体制を整えていく予定だ」(Bhatia氏)

 ただ、現時点ではメモリの市況は良くはない。IC Insightsが2019年7月に発表した予測によれば、2019年のNANDフラッシュ市場(売上高ベース)は前年比で31.7%減少するという。Micronも、2019および2020会計年度の設備投資計画を縮小し、メモリを減産すると発表している。これについてMicronのプレジデント兼CEOであるSanjay Mehrotra氏は、「確かに2019年は厳しい状況ではある」としながらも、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といった、データを大量に生成する時代において、データを保存するNANDフラッシュは欠かせないことを示し、「長期的なメモリのニーズは強い。Micronは投資を続けていく」と強調した。


MicronのSanjay Mehrotra氏

 Mehrotra氏は、米中間の貿易摩擦や、日本政府による韓国への半導体材料輸出管理の見直しがメモリ市場に与える影響について、「Micronが韓国に工場を所有していないこともあるが、今回の日本政府の措置が韓国のメモリメーカーに与える影響がまだはっきりしていないため、メモリ市場全体に与える影響については、現時点ではコメントできない。米中間の貿易戦争は、解決してほしいと思っている。Huaweiが米国のエンティティリストに追加されたことによる当社への影響についても、議論を続けている。当社はHuaweiへの製品出荷を一部再開したが、当社の2019年会計年度第4四半期における対Huaweiの売上高は、やはり予想よりも減少する見込みだ。今後も、(米中と日韓の)両方について動向を注視していく」と述べた。

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