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SCMで主導権目指すIntel、最新メモリを一挙に発表3D NANDは144層へ、Optaneも更新(2/3 ページ)

Intelは2019年9月26日、世界各国の報道機関を対象に同社のメモリ/ストレージの新製品や戦略、採用事例を紹介する「Intel Memory and Storage Day」を韓国・ソウルで開催。同イベントに合わせて、「Optane DC Persistent Memory」の第2世代となる「Barlow Pass」(開発コード名)、QLC(Quad Level Cell)を用いた144層の3D(3次元) NANDフラッシュメモリなどを発表した。

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OptaneのパイロットラインをFab 11Xに

 併せてIntelは、Optane DC Persistent Memoryのパイロットラインを、米国ニューメキシコ州リオランチョ(Rio Rancho)に保有する工場「Fab 11X」に構築したことについても発表した。Fab 11Xは300mmウエハー製造ラインを備えた工場だ。Fab 11Xへの移管の背景には、2018年7月に発表したMicronとの共同開発プログラムの終了がある(関連記事:「「3D XPoint」、Intelは強気もMicronは手を引く?」)。ただ、両社の合弁会社であるIM Flash Technologiesが所有する米国ユタ州リーハイ(Lehi)の工場でも、第1世代および第2世代のOptane DC Persistent Memoryの製造は継続していく。なお、Crooke氏は、同プログラム完了後の3D XPoint開発について報道陣から尋ねられた際、ほとんど何も明かさなかった。

 Intelは第2世代以降のOptane DC Persistent Memoryについても、Fab 11Xのパイロットラインで開発を続けていくが、具体的な投資額や投資のタイミングは「公開できない」(Crooke氏)とし、「他のメモリベンダーに引けを取らないレベルでの投資は行う」と述べるにとどまった。


Optane DC Persistent Memoryのパイロットラインが移管されたリオランチョの「Fab 11X」(クリックで拡大)

QLCの144層3D NANDを2020年に市場投入

 3D NANDフラッシュについては、第4世代として144層のQLC(Quad Level Cell) 3D NANDフラッシュを発表した。第3世代の96層まではMicron Technologyと共同開発したものだが、144層の3D NANDフラッシュについてはIntelのみで開発している。


QLCを用いた144層の3D NANDフラッシュを投入する(クリックで拡大)

 Intelが現在出荷しているのはQLCの64層3D NANDフラッシュを搭載したSSD「660p」だが、その後継品として、96層3D NANDフラッシュを搭載した新しいSSD「665p」の出荷を、2019年第4四半期(10〜12月)に開始する。ただし、665pの詳細な仕様は明らかにされなかった。144層3D NANDフラッシュを搭載したSSDは、2020年に量産を開始する予定だ。


Intel 3D NANDフラッシュを搭載したSSDの量産予定

 Crooke氏は、「Intelは、32層、64層、96層の3D NANDフラッシュにおいて、ダイ面積当たりで最も高い記憶密度を実現してきた。次世代の144層でも記憶密度におけるわれわれのリーダーシップを継続できると確信している」と語った。

 QLCを採用したSSDについては、TRL(Triple Level Cell)搭載品に比べて書き込み耐性などについて懸念する声もある。だがCrooke氏は「QLCドライブの性能は非常に優れている」と言い切る。「ほとんどのQLCドライブはSLCキャッシュ機能を備えていて、これをうまく利用できるアルゴリズムがあれば、QLCでも性能に心配はないと考えている。Intelは今後もクライアントPC向けSSDではQLCを採用する方針であり、TLCを搭載する必要はないだろう」(Crooke氏)

 3D NANDフラッシュでは、次世代の技術として5ビット/セルや500層以上の積層数に関する開発や議論が既に始まっている。Crooke氏は、「5ビット/セルについては理論的に可能だが、実用化には程遠いというのが業界の見解ではないか。積層数については、Intelも他社のメモリベンダー同様、積層しようと思えば積層できるとは思う。ただし、設備投資に対して効率的に容量を上げる手法は、ビット/セルを向上していく方ではないか」と述べた。

左=既存の「Intel SSD 660p」(右側のディスプレイに表示)と次世代の「Intel SSD 665p」について、読み取り速度/書き込み速度を比較するデモ/右=画像右側が、Intel SSD 665p。コントローラーICも新しくなっている(クリックで拡大)

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