あの名場面をすぐ見られる! ラグビーW杯“デジタル”写真展:実はこんなこともやっていた
読売新聞社は、「ラグビーワールドカップ2019」の試合写真を大型ディスプレイに表示する「ラグビーW杯デジタル報道写真展」(以下、写真展)を、NTTドコモとキヤノンの協力の下、ベルサール汐留(東京都中央区)で開催した。
読売新聞社は、「ラグビーワールドカップ2019」の試合写真を大型ディスプレイに表示する「ラグビーW杯デジタル報道写真展」(以下、写真展)を、NTTドコモとキヤノンの協力の下、ベルサール汐留(東京都中央区)で開催した。
ベルサール汐留では、NTTドコモが、5G(第5世代移動通信)技術を活用したスポーツ観戦を体験してもらうべく、2019年9月20日の日本対ロシア戦、10月13日の日本対スコットランド戦で、報道陣や一般客を招いてパブリックビューイングを行ったが、同写真展もそれに合わせて開催された。
通常、報道写真展というのは、1枚1枚厳選した写真をパネルに印刷し、それを展示するのが一般的だ。ただ、これは想像できる通り、ものすごく時間と手間がかかる。今回は“デジタル”という名前の通り、スタジアムから送信された写真を即座に大型ディスプレイに表示する試みとなっている。
まずは、スタジアムで撮影された写真がNTTドコモの5Gネットワークを介して、サーバに大量にアップされる。それらをいったん、ベルサール汐留の会場に設置したローカルPCにダウンロードし、ピントが合っていないものを取り除いたり、見栄えがするようトリミングしたりといった、選別と加工(校閲作業)を行う。それを大型ディスプレイに表示する仕組みだ。読売新聞によれば、スタジアムでの撮影から校閲を経てデジタル写真展に表示されるまで、7〜8分ほどだという。つまり、試合の流れと並行して、ほぼリアルタイムに“写真展”を準備できてしまうのだ。
読売新聞社の担当者はデジタル報道写真展について、「テクノロジーの進化を生かし、現地で撮った写真を、パブリックビューイングの来場者に何とかスピーディに見せられないかと考案した。大量の写真を見られることと即時性を重視した」と述べる。9月20日の対ロシア戦では、ハーフタイムや試合終了後に、「もう一度あのシーンを見たい!」という来場者で、ディスプレイ前は大賑わいだったという。読売新聞社は、「他のスポーツイベントやフェスにも応用できるのではないか」と語った。
ただ、今回のデジタル報道写真展では、見る側の意図とは関係なく写真が表示され、入れ替わっていくので、「あ、今の写真をもっと見ていたい……!」と思った時には少し不便だ。パネルであれば見たい写真を好きなだけ見ていられるが、今回のような表示方式だとそれは叶わない。それでも、試合が終わってその余韻がまだまだ残っている時に、プロが撮影した写真の数々を見られるならば、より感動が大きくなるかもしれない。
ラグビーワールドカップの開幕に合わせ、NTTドコモが2019年9月20日に開始した5Gプレサービス。プレサービス開始時の最大通信速度(理論値)は、サブ6GHz帯(3.7GHz帯/4.5GHz帯)において、受信時が2.4Gビット/秒(bps)、送信時が107Mbps。28GHz帯では受信時が3.2Gbps、送信時が202Mbpsとなっている。
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