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Maxim、車載向けセキュア認証用ICを発表AEC-Q100 Grade 1に準拠

Maxim Integrated Products(以下、Maxim)は、PUF(物理的複製防止機能)ベースのChipDNA技術を用いたセキュア認証用IC(DeepCover)として、車載向けの「DS28C40」を発表した。

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安全性を損なう不正な部品搭載を見逃さない

 Maxim Integrated Products(以下、Maxim)は2019年11月1日、PUF(物理的複製防止機能)ベースのChipDNA技術を用いたセキュア認証用IC(DeepCover)として、車載向けの「DS28C40」を発表した。使用温度範囲が−40〜125℃の「AEC-Q100 Grade 1」規格に準拠した製品である。

 DS28C40は、公開鍵/秘密鍵非対称ECDSA(ECC-P256楕円曲線暗号)と対称鍵セキュアハッシュアルゴリズム(SHA-256)を内蔵している。ハードウェアで実装された暗号エンジンによって、より強固なセキュリティ機能を提供する。システム設計者は、デバイスレベルのコード開発作業を省くことができるという。

 DS28C40は、動作温度範囲が−40〜125℃で、消費電力は動作時で最大60mW、待機時は1.8mWと極めて小さい。パッケージは外形寸法が3×4mmの10端子TDFNで提供する。


MaximのScott Jones氏

 Maximのマイクロ、セキュリティおよび、ソフトウェア製品事業部でマネージングディレクターを務めるScott Jones氏は、「自動車は今や、IoT(モノのインターネット)デバイスになってきた。その分、サイバー攻撃を受けるリスクも増えている。自動車自体の安全性を高めるためには、セキュリティが確保されなければならない」と話す。

 また、自動車業界ならではの課題もある。それは、アフターマーケットを中心に、自動車メーカーが認定していない交換部品が用いられるケースである。模造品は純正部品と同等な機能を備えていても、十分な特性が得られなかったり、信頼性が低かったりして、システムとしての安全性を担保できず、システムの不具合などにより、人命にかかわる事故を引き起こす可能性もあるという。

 DS28C40をモジュールに組み込むことで、部品交換時に認定品であることを確認でき、問題があれば速やかに対処し、システムの動作を停止させることもできる。DS28C40の応用事例として、電気自動車などに搭載される「バッテリーパック」や、運転操作を支援するための「カメラモジュール」などを挙げた。

左がデモを行った純正カメラモジュール、中央は純正カメラモジュールを実装した時の画面、右は認定されていないカメラモジュールを実装した時の画面 (クリックで拡大)

 Maximは、DS28C40の評価キットも用意している。価格は65米ドルである。

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