「embedded world 2020」がドイツで開幕:大手半導体企業は軒並み出展中止
ドイツ・ニュルンベルクで、2020年2月25日から組み込み関連技術の国際展示会「embedded world 2020」が始まっている。毎年、多くの大手半導体メーカーが出展する同展示会だが、ことしは新型肺炎の影響で出展中止が相次いだ。
ドイツ・ニュルンベルクで、2020年2月25日から組み込み関連技術の国際展示会「embedded world 2020」が始まっている。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に対する懸念は世界的に高まっており、国内外のイベント中止や延期が相次いでいる。embedded worldとちょうど同時期に開催予定だった世界最大規模のモバイル関連の展示会「MWC(Mobile World Congress) 2020」は、2月12日(スペイン時間)に中止が発表された。
embedded world 2020でも、主催のNürnbergMesseは連日、状況のアップデートを行いながら開催の可否を検討し、開催を決断した。それでも企業の出展中止は避けられず、特に毎年大きな展示エリアを占めていた大手半導体メーカーのキャンセルが目立つ。開催地ドイツを代表するInfineon Technologiesも直前に出展をキャンセル。その他、NXP Semiconductors、STMicroelectronicsといった欧州メーカー、Analog Devices(ADI)、Cypress Semiconductor、ON Semiconductor、Texas Instruments(TI)、Xilinxなどの米国企業、東芝、ルネサス エレクトロニクス、ソシオネクストといった日本企業も出展を中止した。
NürnbergMesseのCEOであるRoland Fleck氏は、「これほど複雑で世界的な懸念の元に展示会が開かれたことはない。残念なことに相当数の企業が出展を中止したが、そのような状況においてもなお、embedded worldが多くの出展社、来場者にとって魅力的なものとなっていることは確信している」とコメントした。
2019年に開催された「embedded world 2019」の実績は、来場者数が約3万1000人、出展社数が1117社だった。NürnbergMesseのプレスリリースによれば、今回の出展社数は約900社になるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 電子機器成長率、工場停止1カ月ごとに1%減か
現時点で、市場調査会社のアナリストは、コロナウイルスによる影響をどのように見ているのか。インフォ―マインテリジェンス(旧IHS Markitテクノロジー部門)のアナリストである南川明氏に、電子機器市場への影響について尋ねた。 - 新型コロナのエレクトロニクス業界への影響はどの程度か
新型コロナウィルス拡散が半導体/エレクトロニクス市場、さらにはマクロ経済にどれほどの影響を与えうるのだろうか。ある程度の前提を定めた上で、おおよその影響を定量化してみたい。 - 中国の技術メーカー700社がマスク生産へ
産業/商業登記の変更調査を手掛けるTianyan Inspectionによると、2020年1月1日〜2月7日の期間中に、約3000社の中国メーカー(うち700社が技術メーカー)が、自社の製造ラインにマスクや防護服、消毒液、体温計、医療機器などを追加したという。 - マイコンじゃない「STM32」、Cortex-A搭載のプロセッサ
STMicroelectronicsはドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2019」(2019年2月26〜28日)で、同年2月21日に発表したばかりのマルチコアMPU「STM32MP1」のデモを展示した。 - BAW共振器をマイコンに内蔵、外付けの水晶が不要に
Texas Instruments(TI)はドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2019」(2019年2月26〜28日)で、通信インフラやネットワークルーターなどのクロック源としてBAW(バルク弾性波)共振器を搭載したワイヤレスマイコン「SimpleLink CC2652RB(以下、CC2652RB)」と、ネットワーククロックシンクロナイザー「LMK05318」を発表した。