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STとTSMC、GaN半導体の開発と製品化で協力GaN半導体の普及促進を加速

STマイクロエレクトロニクスとTSMCは、GaN(窒化ガリウム)を用いたパワー半導体製品の安定供給に向けて協力していく。

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2020年後半より、GaN半導体のサンプル出荷を開始

 STマイクロエレクトロニクスは2020年2月、GaN(窒化ガリウム)を用いたパワー半導体製品の安定供給に向けて、TSMCと協力していくことを発表した。TSMCで製造するGaN製品については、ディスクリート製品を2020年後半よりサンプル出荷する。その数カ月後には、GaN ICの供給も始める予定である

 GaNやSiC(炭化ケイ素)など新材料を用いた次世代パワー半導体は、従来のシリコン(Si)を用いたパワー半導体に比べて、「電力損失を大幅に低減できる」「高速スイッチング動作が可能」といった特長を備えている。このため、車載用コンバーターやチャージャーをはじめ、産業機器や通信機器などの用途で注目されている。

 このためSTとTSMCは今回、STが保有する製品設計力や車載グレードへの対応能力と、TSMCが強みを持つGaN製造技術を組み合わせ、新製品の開発を加速することにした。産業機器や車載システムの用途における電力変換の効率向上に貢献できるとみている。

 STのオートモーティブ&ディスクリート・グループ社長を務めるMarco Monti氏は、「GaNプロセス技術の開発と実用化を推進し、パワーGaNおよび、GaN ICを製品化していくことは大きなチャンスとなる。TSMCとの協力は、STのツール工場で既にCEA-Letiと進めているパワーGaNへの取り組みを補完するものである」とコメントした。

 STは、SiCパワー半導体への取り組みも強化している。2019年12月にはSiCウエハーメーカーのNorstelの買収を完了して完全子会社化した。2020年1月にはローム傘下のSiCrystalが製造するSiCウエハーについて、今後数年間にわたり調達する契約をロームと結んでいる。

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