新日本無線、高音質オーディオボリュームを量産:高級オーディオ向けMUSESシリーズ
新日本無線は、プロ用や高級オーディオ機器に向けたオーディオボリューム「MUSES72323」の量産を始めた。
動作電源電圧は最大±18V、ボリュームは0〜−111.75dB
新日本無線は2020年4月、プロ用や高級オーディオ機器に向けたオーディオボリューム「MUSES72323」の量産を始めた。
同社は、高音質を追求したオーディオ用半導体デバイスとして「MUSES(ミューズ)」ブランドの製品群を展開している。「高品位で原音に忠実、感性に響く音の追求」が製品コンセプトである。新製品もこのコンセプトに基づき開発した。
MUSES72323は、動作電源電圧範囲が±10〜±18V。ボリュームは0〜−111.75dBを0.25dB単位で調整することができる。ローノイズオペアンプを使用した場合、全高調波ひずみ率は0.00024%、出力雑音電圧は−124dBVである。また、ゼロクロス検出回路とソフトステップ回路を組み合わせることで、ボリュームの切り替え時に発生するノイズを低減した。
MUSES72323は、チャネル間ばらつきの小さい半導体ボリュームを2回路搭載している。後段のオペアンプは外付けとなっており、自由度の高い高音質のシステムを設計することができる。パッケージは外形寸法が11×7.6mmのSSOP32で供給する。参考価格は3000円。
NJU72315/NJU72322も同時に量産
新日本無線は同時に、高性能オーディオボリュームとして「NJU72315/NJU72322」の量産も始めた。MUSES72323と同様にボリューム2回路を内蔵し、オペアンプは外部に接続して用いる構成となっている。
NJU72315は、ポータブルオーディオ機器向けに開発した製品。パッケージは外形寸法が1.9×1.9×0.412mmの「WCSP16」で供給する。動作電源電圧範囲は、アナログ部が±3.0〜±5.5V、デジタル部が1.6〜3.6Vとなっている。ボリュームは0〜−62dBを2.0dB単位で調整できる。SN比は130dBを実現した。参考価格は400円。
NJU72322は、MUSESシリーズの開発コンセプトを受け継ぎながら、生産性を追求した製品。動作電源電圧範囲は±10〜±18V、ボリュームは0〜−111.5dBを0.5dB単位で調整することができる。ローノイズオペアンプを使用した場合、全高調波ひずみ率は0.00024%、出力雑音電圧は−118dBVとなっている。パッケージは外形寸法が11×7.6mmのSSOP32で供給する。参考価格は2000円。
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