世界のFPGA市場、2025年に86億米ドル規模へ:2020〜2025年のCAGRは7.6%
FPGA市場は2020年の59億米ドルに対し、2025年は86億米ドルに拡大する見通しだ。年平均成長率(CAGR)は7.6%となる。
2019年には28nm未満の構成比率が最大に
グローバルインフォメーションは2020年4月、FPGAの世界市場調査レポートを発売した。同レポートによると、FPGA市場は2020年の59億米ドルに対し、2025年は86億米ドルと予測した。年平均成長率(CAGR)は7.6%となる。
市場調査レポートのタイトルは「FPGAの世界市場:ローエンドFPGA・ミッドレンジFPGA・ハイエンドFPGA・SRAM型・FLASH型FPGA・アンチヒューズ型FPGA‐2025年までの予測」(MarketsandMarkets発行)である。
プレスリリースでは詳細な数値を明らかにしていないが、FPGA市場をテクノロジーノードで分類すると、2019年は28nm未満の製品構成比率が最大になったという。低消費電力製品の登場などにより、2025年に向けても28nm未満の製品が高い伸びを示すと予測した。
FPGAは、回路の再構成が可能で機器を出荷した後のアップグレードが容易なこともあり、需要が拡大してきた。エッジコンピューティングや5G(第5世代移動通信)ネットワーキング、データセンター、AI(人工知能)といったハイエンドアプリケーションでは、10nmノードの製品が採用されるなど、最先端プロセスを用いたFPGA製品への移行が急速に進んでいる。一例だが、サムスン電子がEfinixと提携し、10nmプロセスを提供して「量子eFPGA」を開発するなど、主要各社が先端デバイスの開発に力を入れる。
なお、2020〜2025年のFPGA市場をけん引する用途として、クラウドコンピューティングに向けたハイパフォーマンスコンピュータ(HPC)や5Gネットワーキングなどを挙げている。
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