Wave Computingがチャプター11申請準備か?:MIPSは再び独立する可能性も(2/2 ページ)
「Wave Computingが、米連邦破産法第11条による破産申請を行うのではないか」、といううわさが2020年4月20日の週に飛び交った。同社は、傘下にMIPSを抱えている。当記事の執筆時点で、簡単な検索を行ったところ、Wave Computingが米連邦破産法11条の適用を申請しているとする内容の記事は見当たらなかった。今のところ(日本時間の4月27日時点では)、まだ事実ではないようだ。
中核事業となっているMIPS
そして現在まで話を進めると、MIPSは総勢100人の社員を抱える中核事業となっている。このため、TallwoodとWave Computingには、MIPSを買収したいという投資家を探すか、または売り上げ拡大によってMIPS事業を強化していくか、いずれかの選択肢が残された。収益性の高いMIPS事業を、不採算部門であるシステム事業から切り離す必要があったため、「破産法第11条による更生申請を行い、MIPSが再び独立企業として戦略を推進できるようにする」という選択肢を残したのではないかと考えられる。
情報筋によると、MIPSは現在も市場のけん引役を担い、独自の特許保護を提供しているという。同社のプロセッサコアファミリ「MIPS I-Class」が、最も大きい利益を生み出しているようだ。また、Intel Mobileyeをはじめ、数多くの企業がMIPSコアのライセンス供与を受けている。最後のライセンス供与先として発表されたMediaTekは、次世代コネクテッド製品向けにMIPSを適用する予定だとしている。Wave Computingは、今から約1年前に、「MIPSコアは、大手自動車メーカーのADAS搭載自動車全体の80%で採用されている。またValens Semiconductorは、同社の車載ネットワーク製品でMIPSを使用している」と述べている。
こうしたさまざまな情報から、衰退の道をたどっているのは、MIPSではなくWave Computingだと考えられる。もし、うわさ通りにWave Computingが更生申請を行えば、MIPSは再び独立した企業として、そのビジネスを追求していくのだろうか。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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