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TSMCが5nm工場を米アリゾナ州に建設へ:2024年に生産開始予定
TSMCは2020年5月15日(台湾時間)、米国アリゾナ州に5nmプロセスの製造ラインを備えた工場を建設することで合意したと発表した。着工は2021年で、2024年に生産を開始する予定だ。
TSMCは2020年5月15日(台湾時間)、米国アリゾナ州に5nmプロセスの製造ラインを備えた工場を建設することで合意したと発表した。着工は2021年で、2024年に生産を開始する予定だ。
同工場の生産能力は月産2万枚で、1600人以上の技術専門職と、数千人の関連雇用を創出するという。
TSMCは、同工場建設プロジェクトとして2021〜2029年にかけて約120億米ドルを投入する計画だ。TSMCはリリースで、「このプロジェクトには多額な資本と技術的な投資が必要になる。米国の投資環境と労働力は、TSMCにとって魅力的なものになる」とコメントしている。
米国において、TSMCは現在、ワシントン州キャマスに8インチウエハーの工場(Fab 11)を、テキサス州オースティンとカリフォルニア州サンノゼに設計センターを所有している。アリゾナ州の工場は、Fab 11に続く、米国では2番目の工場となる。
TSMCは2020年4月16日に、2020年第1四半期(1〜3月期)の業績を発表した。それによると売上高は103億1000万米ドルで、前年同期比45.2%増、前四半期(2019年第4四半期[10〜12月期])比で0.8%減だった。2020年第1四半期における製造プロセス別の売上高は、7nmが全体の35%、16nmが19%、28nmが14%だった。
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