TSMCの20年Q1売上高、7nmプロセスが全体の35%に:前年比45%増、Q2は横ばいの予測
TSMCは2020年4月16日(台湾時間)、同年第1四半期(1〜3月期)の売上高が103億1000万米ドルで、前年同期比45.2%増となったと発表した。5G(第5世代移動通信)やHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)製品がけん引したという。
TSMCは2020年4月16日(台湾時間)、同年第1四半期(1〜3月期)の売上高が103億1000万米ドルで、前年同期比45.2%増となったと発表した。5G(第5世代移動通信)やHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)製品がけん引したという。一方で2019年第4四半期(10〜12月期)と比較すると0.8%減となった。2020年第2四半期の見通しは、横ばいだとする。
半導体業界では通常、季節的な要因によって第1四半期の売上高は減少する。TSMCのバイスプレジデント兼CFO(Chief Financial Officer)のWendell Huang氏は、「HPC関連の需要の増加と5Gスマートフォンの継続的な立ち上がりにより、季節的要因による減少幅よりは少なくて済んだ。第2四半期では、5GおよびHPC関連の製品が市場に投入されることが、モバイル製品の需要減退を補えると見ており、売上高は横ばいになると予想している」と述べた。第2四半期の売上高予測は101億〜104億米ドルの間としている。
第1四半期では、7nmプロセスの売上高が全体の35%を占めた。10nmプロセスは0.5%、16nmは19%だった。16nm以降の先端プロセスが、ウエハー総売上高の55%を占めていることになる。
2019年通年では、TSMCのウエハー生産能力は、12インチウエハー換算で約1230万枚だった。地域別に見ると売上高の60%は米国企業、20%は中国企業で、2018年と比較すると中国企業からの売上高は18%増加している。同社は2019年の決算報告書で、売上高の10%以上を占めている代表的な顧客企業が2社あると示した。1社は23%、もう1社は14%を占めているとする。1社目がApple、2社目はHuaweiであるとされている。
製品カテゴリー別では、スマートフォンプラットフォームが売上高の49%を、HPCが30%を占めた。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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