車載セーフティ用コネクタの10年後を予測する:福田昭のデバイス通信(246) 2019年度版実装技術ロードマップ(56)(2/2 ページ)
今回は、車載セーフティ用コネクタ(車載カメラ用コネクタを含む)の10年後に関し、コネクタメーカーに対してアンケート調査を実施した結果を説明する。10社が回答した。
10年後の用途では自車位置認識、自動操舵、衝突回避に期待
次に、10年後に期待する用途を選択式で質問した。各社6ポイントの持ち点を、期待する用途の1位に3ポイント、2位に2ポイント、3位に1ポイントと振り分けて投票する方式である。合計点は60ポイントとなる。
期待する用途のトップは「バックビュー・バードビュー(自車位置認識)」で13ポイント、2位は「自動操舵システム」で12ポイント、3位は「衝突回避システム」で11ポイントである。上位3つの用途で36ポイントとなり、全体の6割を占めた。
その他、「車線確認システム」「バックミラー・ドアミラー」「ヘッドランプ(オートハイビームを含む)」「追従走行システム」「GPS情報利用システム」「眠気検知予測」などが期待する用途となった。一方、「タイヤの異常検知」と「エアバッグ」に投票した企業はなかった。
10年後の性能では品質を重視、5Gビット/秒以下の信号を同軸で伝送
続いて、「伝送速度」「重要な性能」「伝送媒体」「導体材料」について10年後の主流を質問した。「伝送速度」は普及機種が1Gビット/秒(bps)〜5Gbps(13社中10社)、最上位機種が10Gbps〜20Gbps(10社中6社)とする回答が最も多い。「重要な性能」は、品質が圧倒的に多く(60ポイント中25ポイント)、次いで伝送速度(8ポイント)となった。
「伝送媒体」は銅線(同軸)が最も多く(54ポイント中20ポイント)、銅線(差動)が続いた(15ポイント)。「導体材料」は銅合金が最も多く(57ポイント中25ポイント)、次いで真鍮(黄銅)(16ポイント)となった。
(次回に続く)
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