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人と車の位置関係を特定する技術で特許を取得:GPSなどを使わず高精度に検出
東陽テクニカは、加速度センサーからの情報に基づき、人(歩行者)と自動車の移動軌跡を算出し、両者の位置関係を高い精度で特定する技術について、特許を取得した。
他の計測システムとデータの同期も可能
東陽テクニカは2020年6月、加速度センサーからの情報に基づき、人(歩行者)と自動車の移動軌跡を算出し、両者の位置関係を高い精度で特定する技術について、特許を取得したと発表した。
開発した技術は、人に取り付けられたIMU(慣性計測装置)と、自動車に搭載されたIMUで計測された加速度データを用い、それぞれの移動量(変移)を計算し、移動軌跡を求める。これらのデータに付されたタイムスタンプを同期させ、両者の位置関係を特定することができる。
両者の位置関係は、誤差精度が約5cmで、毎秒2000回の頻度で検出することができるという。GPSなどの測位システムを用いないため、電波を遮るような高い建物や樹木などがある環境で利用しても、誤差の少ない位置計測が可能である。
開発した技術は、IMU以外の計測システムで得られるデータと同期することもできるという。一例だが、運転者の視線計測システムと同期すれば、運転者が歩行者を確認したタイミングや、その時の歩行者と自動車との位置関係を特定できる。また、ペダル操作や操舵(そうだ)といった車両の挙動に関するデータと同期することも可能だという。
東陽テクニカは、自動運転やADAS(先進運転支援システム)向けに、開発した技術と最新の計測機器とを組み合わせた「自動車計測システム」などの製品化を計画している。
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