Nordic、Bluetooth 5.2対応の無線通信用SoC発売:2層基板対応のWLCSPで供給
Nordic Semiconductorは、Bluetooth 5.2に対応した小型の無線通信用SoC「nRF52805」を発売すると発表した。2層基板による設計に最適化したWLCSPで供給されるため、部材コストの節減が可能となる。
コスト節減が求められる用途に提案
Nordic Semiconductorは2020年7月、Bluetooth 5.2に対応した小型の無線通信用SoC「nRF52805」を発売すると発表した。2層基板による設計に最適化したWLCSP(Wafer Level Chip Size Package)で供給されるため、部材コストの節減が可能となる。
nRF52805は、CoreMark/mA値が65と電力効率に優れた64MHz動作の32ビット「Arm Cortex-M4」プロセッサを採用した。さらに、容量が192kバイトのフラッシュメモリ、24kバイトのRAM、SPIやUARTといったインタフェース、2チャネル12ビットA-Dコンバーターおよび、10本のGPIOなどを集積。外形寸法が2.48×2.46mmのWLCSPで供給する。
また、マルチプロトコル無線(Bluetooth Low Energy/2.4GHz)は、最大+4dBmの送信出力と−97dBmの受信感度(BLEモードの1Mビット/秒)により、101dBmのリンクバジェットを実現した。無線のピーク消費電力はわずか4.6mAである。SoCの消費電流はシステムオフ時で0.3μA、24kバイトRAMが保持されRTCが起動した状態でも1.1μAと極めて小さい。
nRF52805は、同社が提供するプロトコルスタック(SoftDevice)の「S112」に対応しているが、近く「S113」にも対応する予定である。これらは、2Mビット/秒のスループットおよび、「チャネル選択アルゴリズム#2(CSA #2)」機能に対応している。また、「LE Secure Connection」により、「LE Legacy Pairing」と比べセキュリティ性能が向上した。S113は「LE Data Packet Length Extension」にも対応しており、パケット当たりのスループットはさらに向上するという。
nRF52805は、ペン状のポインティングデバイスやセンサー、ビーコン、使い捨ての医療機器など、コスト節減が要求される用途に向ける。
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