連載
有機樹脂基板とガラス基板、パネルレベル基板の技術ロードマップ:福田昭のデバイス通信(264) 2019年度版実装技術ロードマップ(72)(2/2 ページ)
今回は「有機樹脂基板(有機樹脂サブストレート)」と「ガラス基板(ガラスサブストレート)」、「パネルレベル基板(パネルレベルサブストレート)」の技術ロードマップを紹介する。
ガラス基板は温度が変化しても寸法が変わらない
次は「ガラス基板(ガラスサブストレート)」の技術ロードマップである。コア層絶縁材料の特性、配線層絶縁材料の特性、コア層導体回路の寸法、配線層導体回路の寸法を2018年から2年ごとに2028年まで表示した。
コア層の代表的な絶縁材料はホウ珪酸ガラス(ボロンシリケートガラス(「パイレックス」とも呼ぶ))である。耐熱性と耐衝撃性に優れる、熱膨張係数がシリコンに近い(シリコンは2.4ppm/K、ホウ珪酸ガラスは3.2〜3.8ppm/K)、温度によって寸法が変化しにくいといった特徴を備える。
最後は、「パネルレベル基板(パネルレベルサブストレート)」の技術ロードマップである。搭載する部品の数、パッケージの外形寸法、チップ間の距離、信号周波数、チップの端子ピッチ、パネルの外形寸法、パネル厚さの最小値、再配線層の導体と絶縁体の寸法と特性、信頼性試験の許容値を2018年から2年ごとに2028年まで表示した。
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